「ウクライナ侵攻は今後2カ月がヤマ場」 日本も有事の“覚悟”を(国際政治学者アンドリー・グレンコ)

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画像は「Getty Images」より

 9月に入ってから、ロシア軍はウクライナ東部ハルキウ州で占領地を奪還されるなど、撤退を繰り返してきたが、21日にプーチン大統領はウクライナ侵攻における「部分的な動員令」の発動を宣言し、さらなる攻勢に打って出た。混乱を極めるウクライナ戦争は今後どのように展開していくのだろうか?

 筆者はウクライナの国際政治学者で『ロシアのウクライナ侵略で問われる日本の覚悟』(扶桑社)の著者、アンドリー・グレンコ氏にインタビューした。

■ウクライナ侵攻は今後2カ月が山場

ーー今後の戦況はどうなりますか?

グレンコ氏(以下、グレンコ) 今回の部分的動員がなければ、戦争は来年で終わっていたかと思います。ロシアがどれくらいの兵を動員するかによりますが、3~4倍にするなら、ウクライナは苦戦するでしょう。動員に紛れて、ロシアのスパイも各地に派遣されるかと思います。

 西側のウクライナ支援とロシアへの経済制裁も効いて、かねてよりロシア兵の士気も下がっているので、ウクライナは負けることはないかと思いますが、戦争は長引くでしょう。

 ただし、部分的動員をしても、訓練と武器装備が必要です。今回の部分的動員が戦況に影響するのは2~3カ月後になります。それまでの期間、ウクライナがどれだけ勝てるかですね。

ーーウクライナ戦争は核戦争に発展しますか?

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アンドリー・グレンコ氏。(本人提供)

グレンコ プーチンは「ウクライナはロシアの国土」だと考え、「ウクライナを併合することは正義の回復」であり、「侵略ではない」という強い信念を持っています。自国の領土回復の為にはいかなる手段も使いかねないので、核兵器の使用も可能性はあるでしょう。

ーープーチン大統領の思想にも影響を与えたといわれる哲学者のアレクサンドル・ドゥーギンの娘が暗殺されました。これにはどんな背景があるとお考えですか? (ドゥーギン思想の詳細は過去記事

グレンコ ドゥーギンはロシアの極右思想界隈では知られていますが、プーチンに対して影響力はありません。その娘はなおさらです。ドゥーギンはプーチンに会えませんし、極右思想の中で生まれた一哲学者に過ぎないでしょう。極右のドゥーギンを嫌悪する人物が犯人ではないでしょうか?

ーーウクライナ国立学士院によると、キーフとその周辺の村で未確認飛行物体の目撃が相次いでいます。これは何でしょうか? (参考資料:https://arxiv.org/pdf/2208.11215.pdf

グレンコ ロシアもウクライナも把握できていない、アメリカの新兵器が偵察に来ている可能性があるかと思います。証拠がないので、なんともいえませんが。

ーーなるほど、アメリカが偵察に来ている可能性はありますよね。今後、アメリカ含め西側は武器支援のみで、兵は出さないのでしょうか?

グレンコ ウクライナはNATOはじめ軍事同盟に入ってなく集団的自衛権を行使できないので、兵を出すのは難しいでしょう。

■ウクライナが勝つためには?

ーーでは、ウクライナが勝つためには何が必要でしょうか?

グレンコ さらなる武器の支援、ありとあらゆる武器の支援が必要です。「人道支援は協力するが、軍事支援の協力はできない」と主張する方もいらっしゃいますが、ウクライナ側からすれば、「お前が死んだら、葬式代を出すし、ボコボコにされたら、医療費と見舞い金を出してやろう。だが、お前が無事でいられるための協力はできない」と言われているように感じます。

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『ロシアのウクライナ侵略で問われる日本の覚悟』(扶桑社)

ーー読者へのメッセージはありますか?

グレンコ 今回のウクライナ戦争における最大の教訓は、軍備と安全保障に力を入れない国は侵略されるということです。平和を保つためには、自国の軍事力、他国との同盟関係が必要です。独裁国は対話に応じませんから、日本にも有事に備えるための「覚悟」が必要です。

ーーありがとうございました。

 プーチンによるプーチンのための戦争はいつまで続くのか。ウクライナ国民はもちろんだが、経済的困窮するロシア国民の為にも一刻も早く停戦を決断することを願う。 

文=深月ユリア

 

深月ユリア
ポーランドの魔女とアイヌのシャーマンの血をひき、魔女占い師・魔女優・オカルトライター・ホラー映画プロデューサーとして国内外で活動。深月事務所代表。最新刊『世界の予言2.0 陰謀論を超えていけ キリストの再臨は人工知能とともに』(明窓出版)大好評発売中!

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