なんでも頭に張り付く“吸盤男”現る! 年を取らず、傷も早く治る…別名「缶ヘッド」の特異な生態
ジェイミー・キートン、別名「缶ヘッド」は、皮膚に何でもくっつけられる特技を持つ男だ――。
※ こちらの記事は2019年10月19日の記事を再掲しています。
■能力発見
人間の皮膚は、皮膚細胞の最上層を維持するために、少量の酸素を吸収しているらしい。しかし、キートンの皮膚は普通の人よりも多くの酸素を吸収し、その酸素レベルは通常レベルよりも23%高いのだ。
そしてこの多い酸素吸引量は、キートンの肌の毛穴を“吸盤”にする。加えて彼の安静時の体温を約38度と高く保ち、それによって火傷や傷が人より早く治るというから興味深い。
さらに注目すべき特徴として、彼は老化するのが人より遅いらしい。キートンは一見、30代のようにも見えるが、実際には50歳で孫もいる。
さまざまな珍しい特徴を持つキートンであるが、数年前から医師の診察を受けるのを一切やめた。今まで彼は、病院でさまざまな検査を受けてきたが、それらに全くもってうんざりしたからだと語る。医師は、彼の持つ希少疾患に困惑し、彼は米国でこの吸引能力を持つ唯一の人間だと結論づけている。
映画ではしばしば、スーパーヒーローの力は年齢とともに発達するが、キートンの能力も同様だった。彼が7歳の時、自分の肌におもちゃが張り付くのに気づき、彼は自分が人と違っていることを自覚した。キートンの両親は、息子の手に松ヤニなどの樹液が付いただけだと思っていたと話す。
彼は若い時には、人から怪物扱いされるのが怖くて、他人にこの不思議な特技について話さなかったと語る。
「私を知的障害の一種のように言う人もいるが、私はこの能力によって多くの報酬を得ている。それでも私は知的障害ですかね?」
■ギネス記録
2016年1月、キートンは中国の大会で、10秒間に計8個の缶を頭にくっつけ、世界ギネス記録を獲得した。
彼の名声は一躍広まり、彼は有名な「エレン・デジェネレス・ショー」(エレンの部屋)や、米CBSの深夜トーク・バラエティ番組「ジェームズ・コーデンのレイト・レイトショー」、など、数々の人気テレビ番組にも出演した。
また彼はジョージ・クルーニー、アダム・サンドラー、ジェイ・レノなどのセレブリティにも出会い、ちょっとした映画出演の仕事も得た。今、彼のインスタグラムのアカウントには、1万人以上のフォロワーがいる。
しかし、キートンのきわめて稀な肌の状態は、有名になるためだけのものではなく、生計を立てる手段でもある。
企業はキートンを使って製品を宣伝するために、数十万円を支払う。また彼はさまざまなショーやパーティに出席し、人々と写真を撮ることで、1日に多い時では16万円、週末には90万円近くを稼ぐ。
しかし、キートンはただの「見世物」ではない。彼に、本当の喜びをもたらすのは、実に些細なことだという。
かつてキートンは、米シカゴの街で、悲しみに打ちひしがれて歩く女性に出会った。そこで彼は、その女性を笑わせようと頭に缶をくっつけて見せた。するとその女性は、彼のことを追いかけてきてこう語ったのだ。
「私は父を1週間前に亡くしたばかりなの。でも父が生きていたら、きっとあなたの芸が大好きだったと思う」
そして父親が死んで以来、自分が笑ったのはこれが初めてだとキートンに告げた。
キートンは「私にとって大事なのは、こういう小さなことです。私をばかだと思う人もいる。でも、私は人を微笑ませる力があるからね」と言う。
キートンが自分の「特徴」をビジネスに生かし、人を笑顔にする力を持っているのは素晴らしい。
しかし、どうも「頭に缶がくっつく」という部分ばかりが注目されがちだが、キートンの「年を取るのが遅い」、「傷の治りが早い」という特徴は、非常に興味深い。彼の身体には、一体どんな「秘密」が隠れているのだろうか。
参考:「Daily Mail」、「Journal Sentinel」ほか
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