電流で傷を4倍早く治す「電子ばんそうこう」爆誕へ!
電流でビビビッと傷を4倍早く治す「電子ばんそうこう」爆誕へ! もはや湿潤療法も時代遅れ!
傷を早く治し、しかも傷痕をなるべく残さない、というのは万人の願うところだろう――。
■電流を流して傷を治す“電子ばんそうこう”
医療現場における新しいアプローチとして、ここ10年ほどで湿潤療法が一般的にもかなり浸透してきたのは記憶に新しい。湿潤療法とは従来のガーゼを当て、消毒薬による消毒をするという治療に代わり、消毒をせず、かつ創傷部を乾燥させず、ガーゼの代わりに被覆材(ドレッシングフォーム)を使用するという異なるアプローチによる治療法のことだ。
ばんそうこうタイプの多くの類似製品が販売されているので、常備している家庭も多いのではないだろうか。治療経過もよく画期的な療法であるが、最新の報告によると傷が回復するまでの時間をなんと4倍も短くする治療法が現在研究中だという。
米ウィスコンシン大学マディソン校の若き研究者イン・ロン氏が主導するチームは今回、ごく微量の電流を発生させる“電子ばんそうこう”を使用した研究成果を発表した。

彼らは背中に切り傷を負ったラット(大型ネズミ)に、これを包帯状にしたものを巻いて経過観察を行い、ラットが呼吸をするたびに電気パルスを発生させた。すると、皮膚の結合組織を構成する細胞の1つでコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸といった真皮の成分を生産する線維芽細胞が傷口とその周辺につくり出されたという。つまり、この方法により治療プロセスの回復速度を大幅に短縮することが判明したのである。
アメリカでは治癒の可能性が低い糖尿病性足病変や下肢潰瘍、手術痕に悩まされる人々が毎年新規に650人以上も増えているといわれるが、実は血流を押し上げて新しい組織の成長を促すために電流を用いる治療は、1960年代より認められている。

だが、複雑な操作を要する電気機器類は個人では扱いにくく、基本的に病院向けであったために、これまで一般的には浸透してこなかった。
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