「16世紀メキシコの血塗られた歴史」の闇が深い! 殺害、食人、報復、虐殺…
今夜21時から放送される「世界ふしぎ発見!」(TBS系列)では、毎年10月末からメキシコ全土で開催される「死者の日」に密着。故人の魂を偲ぶ伝統行事として知られているが、日本のお盆とは対照的に、カラフルなガイコツモチーフのアイテムが並べられ、街全体が賑やかな雰囲気に溢れている。一体なぜ、死の象徴であるガイコツがポジティブなものとして捉えられているのか? メキシコ人の死生観とは? その謎を紐解くために、この地にかつて存在したアステカ王国の全貌に迫る。
隆盛期にはメキシコ高原一帯を支配したアステカ王国だが、1521年にスペイン人征服者・コルテスによって滅ぼされており、その際に行われた集団虐殺は今日でも歴史上最も残忍で冷酷な復讐劇のひとつとして伝えられている。過去にトカナでは、アステカの時代を生きた人々の形跡が数多く残るトラスカラ州テコアクで行われた発掘調査から、先住民のアコルワ族がスペイン人隊商を食べていたことが明らかになったと報じた。その結果、あの血なまぐさい争いが生み出されることになったのだ。放送を前にいま一度、アステカ王国滅亡の経緯を振り返ってみたいと思う。
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※ こちらの記事は2021年2月12日の記事を再掲しています。
かつてメキシコにはアステカ王国が存在した。メキシコ高原一帯を支配していたが、1521年にスペインの征服者コルテスによって滅ぼされた。
アステカの時代に「ズルテペック」と呼ばれ、現在トラスカラ州テコアクと呼ばれているこの街には、かつて5000人が住み、トウモロコシと豆を栽培し、白い漆喰の寺院が建っていた形跡が残っている。
そのテコアクに残る遺跡で発掘調査が行われたところ、先住民のアコルワ族が1520年にスペイン人隊商を捕らえ、食べたことが明らかになった。隊商が虐殺されたことを聞いた、スペイン人征服者コルテスは、ナワトル語で「人々が食べられた場所」である「テコアク」という名に町を改名したと言われている。
そして血なまぐさい虐殺と復讐劇がはじまったのだ。
■550人のスペイン隊商が先住民の餌食に
1520年、ズルテペックの先住民は、スペインから第二陣として送られてきた約550人の隊商を捕らえた。その隊商には、スペイン人征服者と歩兵、ヨーロッパ人の男女と子ども、そしてスペインの同盟国であったマヤ、トラスカルテカ、トトナックの人々、そして動物が含まれていた。
発掘調査のリーダーである考古学者エンリケ・マルティネス氏は、捕虜たちは、数ヶ月間檻の中に入れられ、アステカの司祭たちは毎日数人を選び、心臓を抉り出し、アステカの神々に彼らを捧げた、と述べている。
「それは6カ月にわたる継続的な犠牲でした。囚人たちは仲間が生贄にされる叫びを聞いている間に、次の犠牲者が選ばれました」(マルティネス氏)
発掘された骨にはナイフの切り傷や歯の跡があり、ゆでられ、肉をそぎ落とされた形跡があった。それらは全て、司祭や町の長老たちが犠牲者の心臓を食べたり、肉をはぎ取り調理したことを示しているとマルティネス氏は語った。
一方、隊商を皆殺しにしたズルテペックの先住民は、スペイン人がすぐに報復することを知っていたとみられる。
先住民たちは、新しい壁を建設して、自分たちの街を強化しようとした形跡があった。また彼らは、殺害した捕虜の遺体を隠そうともした。考古学者が町の22の貯水池を調べたところ、キャラバンの捕虜の私物、神々の彫刻、隊商が連れていた動物の残骸とともに、人間の骨をトロフィーに刻んだものが隠されているのが見つかったという。
結果、この隊商を虐殺したアステカ人の行為は、歴史上最も残忍で冷酷な復讐の行為の1つとして記憶されるスペイン人の集団虐殺を生み出した。
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2024.10.02 20:00心霊「16世紀メキシコの血塗られた歴史」の闇が深い! 殺害、食人、報復、虐殺…のページです。戦争、三橋ココ、大航海時代、先住民族、植民地、ズルテペック、隊商交易、キャラバン、大虐殺などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで