ノストラダムスが「ロシアのキメラ兵士」を予言か? ソ連で研究された人間とサルの交配種

 ノストラダムスが“スーパーソルジャー”の出現を予言していた――。その超人兵士とはヒトとサルのハイブリッドであるという。

2023年、ヒトとサルのハイブリッド兵士が戦場へ!?

 ノストラダムスが言及していた「ねじれた舌を持つサルの傭兵」が意味するものとは――。

 大預言者ノストラダムスが遺した942の四行連詩の中の1つに2023年を占う予言があるといわれている。

 それは今まさに進行中のウクライナでの戦争のために兵士が不足しているロシア軍に関するものであるという。戦地のロシア軍に新たに補充される兵士は「ねじれた舌を持つサルの傭兵」であり、それはヒトとサルのハイブリッド兵士であるというのだ。このハイブリッド兵士は「教会の過激派を育てる」ために来年、つまり2023年に登場するという。

ノストラダムスが「ロシアのキメラ兵士」を予言か? ソ連で研究された人間とサルの交配種の画像1
「Mysterious Universe」の記事より

 実際、1920年代にヨシフ・スターリンが、人間と類人猿を交配させて軍用の“スーパーソルジャー”を作ろうとしていたことが記録に残されている。その試みは失敗したといわれているが、ひょっとするとプロジェクトは極秘裏にまだ続いているのかもしれない。

 1926年のレポートによると、ソ連の指導者ヨシフ・スターリンは、科学アカデミーに「生きた戦争機械」を作るよう命じた。このプロジェクトのリーダーに、馬の繁殖のための人工授精技術を完成させたことで知られる生物学者、イリヤ・イワノフ博士が抜擢された。

 スターリンは選択的交配によって“超人”を作る代わりに、人間と類人猿を交配させることによって“超雑種”を作ることを提案した。このヒトとサルのハイブリットを“スーパーソルジャー”として戦場に送ることを思い描いたのだ。

 イワノフ博士は西アフリカのフランス領ギニアに赴いて捕獲したメスのチンパンジー3匹を、人間の精子で人工授精させることに成功した。霊長類の異種交配が不可能であることは現代では当然の知見になっているが、当時の博士の思惑は挫折しどのチンパンジーも妊娠することはなかった。

 これでは懲りなかったイワノフ博士は次に、アフリカの女性を類人猿の精子で妊娠させる恐ろしい試みを行ったことも記録に残されているが、もちろんこれも成功しなかった。

 ソ連に戻ったイワノフ博士は、今度はオランウータンのオスに切り替えて研究を続けたと言われているが、実験室で最後の健康なオランウータンが死亡したため研究は中断を余儀なくされた。

 イワノフ博士は政権交代時に逮捕されたのだが、1932年に亡くなるまで、カザフスタンの獣医動物学者研究所で霊長類研究の仕事と実験を続けることを許可された。カザフスタンに場所を移して極秘裏に“超雑種”のスーパーソルジャーを生み出す研究が細々と続いていたのかもしれない。

ノストラダムスが「ロシアのキメラ兵士」を予言か? ソ連で研究された人間とサルの交配種の画像2
「Mysterious Universe」の記事より

ヒトとほかの生物のキメラが開発されるのは時間の問題

 ヒンドゥー教の叙事詩『ラーマーヤナ』では、インドの島の都市ラメーシュワラムと現在のスリランカであるランカとの間の海を渡る40キロメートルもの橋であるラーマセトゥ(Rama Setu)を建設したというヒトとサルのハイブリッドの種であるヴァナラ(vanara)のストーリーが語られている。

ノストラダムスが「ロシアのキメラ兵士」を予言か? ソ連で研究された人間とサルの交配種の画像3
ラーマセトゥ(Rama Setu) 画像は「Wikipedia」より

『ラーマーヤナ』によると、ヴァナラまたは「半分人間/半分猿」の兵士による軍隊が、スリランカの魔王ラーヴァンを打ち負かし、捕われの身になっていたラーマ王子の妻、シーターを救出した。

 ヴァナラは人間をはるかに超える力と敏捷性を持ち、皮膚は毛皮で覆われ尻尾を持っていたといわれている。

 そしてヴァナラたちは島からシーターを救出するために、インド本土からランカに石や岩でこのラーマセトゥ橋を架けたといわれている。伝説によるとわずか5日で完成したということだ。ラーマセトゥは15世紀に激烈なサイクロンの被害によって決壊し一部が水没するまで、徒歩で移動できたといわれている。

 科学界ではあくまでもラーマセトゥは自然に形成された地形であるといわれているが、人工的に作られたものであるという声も根強くあり、これまでにも論争を引き起こしたこともある。

 そしてそもそもヴァナラは古代のバイオテクノロジーで生まれたヒトとサルのバイブリッドであったのか。

 2021年、アメリカの遺伝学者フアン・カルロス・イズピスア・ベルモンテと中国の研究者チームは、25個のヒト幹細胞を生後5日目のマカクザルの胚に注入することに成功したと発表している。ヒトとサルのキメラ胚132個のうち103個が10日後も生存しており、3個は倫理規定によって破壊されるまで20日間生き残ったというのだ。

 倫理的問題を度外視すればヒトとヒト以外の生物のキメラが開発されるのは時間の問題だともいわれている。スターリンの夢は叶い、ヒトとサルの“超雑種”のスーパーソルジャーが来年にウクライナの戦場で八面六臂の大活躍をするのだろうか。ノストラダムスの不吉すぎる2023年予言が当たらないことを願うばかりだ。

参考:「Mysterious Universe」ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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