「人骨取引」に関する5つの怖すぎる事実! 骨の油抜き、謎の“友愛組合”、頭蓋骨レンタル…
先日、TOCANAではメキシコ中部のケレタロ・インターコンチネンタル空港にて、4つの人間の頭蓋骨が入った小包が発見されたというニュースを取り上げた。アメリカやメキシコでは、SNSを介してこうした取引が頻繁に行われており、近年問題視されているという。
一方、ヨーロッパでは、19世紀後半から20世紀前半にかけて、人骨がコレクションアイテムとして人気を集めていたという。なかでもフランスで作られた全身骨格は、丁寧な処理が施されていることから特に評判だったとか。アメリカで唯一の”人骨職人”など、今では考えることができない、人骨取引が公然と行われていた時代の常識を5つ紹介する。
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※ こちらの記事は2018年3月30日の記事を再掲しています。
ヨーロッパ諸国では、19世紀後半から20世紀初頭にかけて人骨の取引が盛んだったという。最も美しい骨は誰のものか、どのようにして骨を白くするかなど、人々は競い合うように楽しんでいた。医学関係者から人骨が提供されることもあれば、それ以外の人物が人骨を市場に流すことも……。今回は、そんな人骨取引に関する驚くべき事実を5つ紹介しよう。
アメリカで唯一の“人骨職人”
アメリカで唯一“全身骨格から油を抜く”技術を持っていたのがメイトル・マズールという人物。彼以外から全身骨格を購入すると、人骨から放たれる腐敗臭で部屋が満たされてしまうという。
彼は、パリにある“展示用人骨製造メーカー”で油を抜く方法を学び、帰国後ニューヨークで自らの店を構えた。油を抜く作業工程が他人に明かされることはなく、メイトル以外の者が作業場に立ち入ることは決して許されなかった。彼から人骨を買いつけていたのは医学生や医者、芸術家や一部のマニアたちで、年間500体もの人骨がメイトルの施術を受けるためニューヨークに輸入されていたそうだ。
寄せ集めで作った粗悪品
全身骨格は骨の質やパーツの数によって“クラス分け”されており、ある有名な医者が1891年に800ドルで購入したものが最も高価な人骨だといわれている。
最も質の悪い全身骨格は“複合骨格”と呼ばれ、1人の人間ではなく複数人の骨を寄せ集めて作られていた。この“複合骨格”は一般にも出回り、劇場やショーの見世物になることがほとんどで医学研究価値があるわけではなかった。たとえ全身が本物の人骨だったとしても、取引額は当時の価格で150ドルほど。圧縮された紙パルプの“模造骨”を使った骨格もごくわずかだが取引され、これは主に“友愛組合”と呼ばれる秘密結社に売却されていた。
フランスの人骨職人
1892年のフランスでは、全身骨格を作るために遺体の脂肪や筋肉、皮膚や臓器をメスで除去していた。骨以外を取り除いた後は煮崩れしない程度に煮沸。その後天日干しして骨の白さを際立たせ、同時に太陽光で油を抜く作業が行われる。最後はエーテルやベンゼンといった薬品で磨きをかけ、フランス以外で作られた人骨との差別化を図っていた。
全ての工程を終えた人骨は黄銅や蝶番、フックで固定され組み立てられる。フランスで作られた人骨は変色することがなく、天候の変化によって悪臭を放つこともないと評判だった。
死刑囚の行き着く先は頭蓋骨専用倉庫?
20世紀初頭のフランス・パリでは、処刑された犯罪者の遺族が遺骨の引き取りを拒否することが多く、引き取り手のない頭蓋骨は専用の倉庫で保存されていた。保管されている頭蓋骨には名前と処刑された日付が記されることが多く、なかには生前に犯した罪の詳細が書かれた頭蓋骨もあった。
保管されている頭蓋骨は医師や医学関係者に売却されていたが、有料でレンタルすることも可能。“頭蓋骨レンタル”は、頭蓋骨を購入する手段や金銭的余裕のない人が講演や展示会で利用するため、必要な時間だけレンタルすることができた。
秘密の“スペアパーツ”
医学目的で解剖された遺体や、“何かしらの理由”で切断された身体のパーツも“人骨取引市場”では大きな価値があった。パーツは肉をすべて削ぎ落としてから骨を漂白。その後、番号が振られて倉庫に集められる。保管されている骨は前述した“複合骨格”に使われることもあったが、ほとんどは全身骨格の一部が欠けたときの“スペアパーツ”として使用された。展示用の全身骨格に犬が噛みついて一部が破損したとしても、倉庫に送れば新しいパーツに交換できた。
ヨーロッパのほとんどの主要都市には“人骨倉庫”が存在したが、道徳的な理由から多くの市民には秘密にされていた。幼児から成人までさまざまな骨のスペアを取りそろえたこの倉庫を利用できるのは、限られた一部の人のみだったそうだ。
参考:「LISTVERSE」、ほか
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