100年前の学者が予想した2023年の世界とは? 丸刈りでお歯黒の女性が街を闊歩、人類はテレパシー能力獲得!?

 今から100年前の1923年に予測された「2023年の世界」が話題になっている。これは、カルガリー大学(カナダ)の研究員であるPaul Fairie氏が、当時の新聞記事をTwitter上で紹介したものだ。

 1923年といえば、日本では関東大震災が発生した年である。海外ではオスマン帝国に代わりトルコ共和国が建国されたり、ハリウッドのシンボルである「ハリウッドサイン」が設置されたり、ウォルト・ディズニー社が設立されていた。そんな時代に思い描かれた2023年は、どのような世界だったのか? 興味深いものをピックアップしてみた。

1日の労働時間が4時間に

 記事によると「電力の恩恵により退屈な重労働は減り、人々は1日4時間以上働く必要がなくなる」らしい。当時、電力はまだまだ新しいエネルギーで、人々が無限の可能性を感じていたことがわかる。予測については、部分的に的中しているといえるが、すべての人々に当てはまるわけではない。100年後ですら、そんな社会が実現しているかどうかは怪しい。

女性の間でボウズヘアとお歯黒が流行

「女性が髪を丸刈りにする一方で、男性はカーラーをつけるようになる」とあり、こちらも部分的には的中しているといえる。しかし、「歯を黒く染めることが最高のオシャレ」という部分は見事に外れており、この100年間で流行った形跡もない。

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画像は「Getty Images」より

平均寿命が100歳に

 平均寿命とまではいかないが、100歳を超える長寿者は年々増え続けており、日本では2022年の時点で9万人を超えている。記事には「個別のケースなら150歳、もしくは200歳まで寿命が伸びる可能性も」とあるが、人類史上最高齢は今のところフランス出身のジャンヌ・カルマンさん(享年122歳)だ。

平均寿命が300歳に

 200年どころか300年、それも平均寿命とブチ上げる記事もあった。もし実現していれば食糧や資源の不足が深刻化し、逆に平均寿命が大幅に下がると思われる。

腹巻きの着用が一般的に

 日本では一般的な腹巻きだが、海外(特に欧米)ではあまり見られない。着用する理由が「寒い日に腎臓を冷やさないため」というのもよくわからないが……。

ガンが撲滅される

 この手の未来ネタに必ずと言っていいほど入ってくる話題。知ってのとおり、ガンの撲滅はいまだ人類の悲願であり続けている。次の100年間で解決されることを祈るばかりだ。

腕時計サイズの電話が登場し、地球上の誰とでもコミュニケーションを取れる

 数少ない的中例。主流というわけではないが、通話機能を持つスマートウォッチ自体は実現している。また、記事内では「ショッピングモールの消滅」にも言及し、「時速1000マイルの貨物船が登場し、中国に発注した商品でも日没までに届けてくれる」とある。音速を超える貨物輸送は今のところ存在しないが、ネットショッピングが一般的となりショッピングモールが衰退しつつあるのは事実。こちらも、次の100年間で実現する可能性はある。

戦争は電子戦が主流になり、人間はテレパシー能力を獲得する

 戦争が電子戦主体になるという部分は的中といってもいいが、その過程でテレパシー技術が確立される事態には至っていない。「政府から電磁波攻撃を受けている」などと主張する人はネット上でよく見かけるが……。

 この手の未来予想といえば「空飛ぶ車」のようにSF的なネタが多くなりがちだが、わりかし現実的な予測が多いように感じる。それでは、今から100年後の世界はどのようになっているのだろうか?

 博報堂の生活総研が発表している「未来年表」によると、今から約100年後の2122年は「月や火星に森林や水辺の再現を可能にする人工重力居住施設が実現」したり、「惑星間を移動するための人工重力交通システム『ヘキサトラック』が実現」しているという。

 100年前に比べれば予想の精度も高まっていると思われるが、いざ100年後の人類が見た時には「ねーよ!」とツッコまれているかもしれない。確かなのは、未来のことは誰にもわからないが、予想するのは無責任で楽しい。ということだ。とりあえずガンは撲滅されていると思う。多分。

参考:「Twitter」ほか

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文=ゼロ次郎

2015年からライターとして活動。 得意ジャンルは国内外のB級ニュースや珍事件。「TOCANA」 「実話ナックルズ」「日刊SPA!」を中心に執筆しているほか、 南阿佐ヶ谷のライブハウス「Talking Box」で、出版関係のトークイベントを毎月開催中。
X: @zerojirou

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