太陽の一部が欠けた? 大規模な極渦が発生、原因不明の現象に科学者も困惑
今月2日、太陽の表面から物質が剥がれ落ち、極付近で竜巻のような渦巻きが発生したことが観測され、科学者らが困惑しているという。
この現象は、アメリカ航空宇宙局(NASA)のジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡によって撮影された後、宇宙天気予報士のタミサ・スコフ博士がツイートで拡散した。
Talk about Polar Vortex! Material from a northern prominence just broke away from the main filament & is now circulating in a massive polar vortex around the north pole of our Star. Implications for understanding the Sun’s atmospheric dynamics above 55° here cannot be overstated! pic.twitter.com/1SKhunaXvP
— Dr. Tamitha Skov (@TamithaSkov) February 2, 2023
太陽の縁を形成する雲のような構造をプロミネンスと言う。皆既日食時の太陽の縁から燃え上がる炎のように見えることから日本語では紅炎とも呼ばれるが、このプロミネンスが太陽の縁からまるで剥離するような現象が起こり、そこで大規模な極渦が発生しているというのだ。
米コロラド州の国立大気研究センターで副所長を務める太陽物理学者のスコット・マッキントッシュ氏は「Space.com」に対し、このようなユニークな事象を引き起こす原因はまだ分かっていないと語った。
おそらく太陽の磁場と関係があると見られているが、依然として謎のままだという。科学者たちは、「黄道面」、つまり地球の軌道を含む幾何学的平面からしか太陽を見ることができないため、情報が限られているからだ。
欧州宇宙機関の太陽観測衛星「ソーラー・オービター」ならば、黄道面を越えて軌道を上げながら太陽の画像を撮影できるため、その答えが得られるかもしれないが、それまでは研究者は頭を悩ませなければならないという。
ところで、昨年は巨大太陽嵐の発生が危惧されたが、太陽は2025年に現在の11年周期の活動のピークに到達するという。
太陽嵐とは、太陽で非常に大規模な太陽フレアが発生した際に太陽風が爆発的に放出され、それに含まれる電磁波・粒子線・粒子などが、地球上や地球近傍の人工衛星等に甚大な被害をもたらす現象とされる。太陽フレアにより発生する大量のプラズマを含んだコロナ質量放出は磁気嵐を引き起こし、磁気嵐は電子機器に大きな悪影響を及ぼす。大規模になれば人工衛星や携帯電話が使えなくなり、他のあらゆるコミュニケーションツールが利用不可能になると言われている
太陽現象を精確に予測することは人類の存亡にかかわる大きな問題だ。今後の研究に期待したい。
参考:「一家に1枚太陽 用語集(製作・文部科学省)」「New York Post」「Space.com」ほか
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2024.10.02 20:00心霊太陽の一部が欠けた? 大規模な極渦が発生、原因不明の現象に科学者も困惑のページです。NASA、太陽、竜巻、太陽嵐などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで