こっちのコロナもやばい! 巨大太陽風で長期ネットダウンの危機…「コロナパニック」数年以内に発生か

画像は「Getty Images」より


 現代社会に必須のインターネット。コロナ禍でリモートワーク人口が増える中、ネットへの依存度はますます増しているが、この度、インターネットインフラが「宇宙天気」に対して致命的に脆弱であることが専門家の調査が判明した。英紙「Daily Mail」(8月27日付)が報じた。

 今月、米国計算機学会(ACM)の会議「SIGCOMM 2021」において、米カリフォルニア大学アーバイン校のコンピュータ科学者であるSangeetha Abdu Jyothi氏が、宇宙天気がインターネットインフラに与える影響をリスク評価した結果を発表。巨大な太陽嵐は海底ケーブルに致命的な影響を与える可能性があることが分かったという。

 太陽嵐とは、太陽で非常に大規模な太陽フレアが発生した際に太陽風が爆発的に放出され、それに含まれる電磁波・粒子線・粒子などが、地球上や地球近傍の人工衛星等に甚大な被害をもたらす現象とされる。太陽フレアにより発生する大量のプラズマを含んだコロナ質量放出は磁気嵐を引き起こし、磁気嵐は電子機器に大きな悪影響を及ぼ酢。大規模になれば人工衛星や携帯電話が使えなくなり、他のあらゆるコミュニケーションツールが利用不可能になると言われている

 同氏によると、太陽嵐が直接的に光ファイバーケーブルに影響を与えることはないが、長距離の接続を維持するために必要な海底ケーブルに点在するシグナルブースターを破壊する可能性があるとのことだ。海底ケーブルは、陸上のケーブルに比べて宇宙の天気の影響を受けやすいだけでなく、アクセスが容易でないため修理も困難となる。そのため、数週間にわたってインターネットが利用不可能になる可能性があるという。

画像は「Getty Images」より

 歴史上、大規模な太陽嵐は3つ記録されている。1859年の「キャリントン事件」では、電信システムが大きく混乱し、赤道付近のコロンビアでオーロラが発生した。1921年と1989年には、ハイドロケベック社が運営する電力網を破壊され、カナダ北東部で9時間に及ぶ停電が引き起こされた。しかし、インターネットが普及して以来、大規模な嵐が発生していないため、そのリスクは未知数だ。

 太陽は周期的に活動が活発化する。現在の「太陽サイクル25」は2025年にピークを迎えると予想されているが、これまでの太陽サイクルに比べて比較的穏やかなものになると推定されている。専門家らの試算によると、今後10年以内に壊滅的な破壊をもたらす太陽嵐が発生する可能性は1.6〜12%と言われているため、それほど心配する必要はなさそうだが、インターネットが使えなくなる時がいずれ来るかもしれないということは頭の片隅に置いておいた方が良いだろう。

参考:「Daily Mail」、ほか

TOCANA編集部

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