温泉に含まれる「硫化水素」、卵の臭いが消えたら死の前兆、全身が緑色に!自殺に使うと悲惨なことに…恐怖の毒性ガスを徹底解説!

【ヘルドクター・クラレのググっても出ない毒薬の手帳】
第26回 硫化水素

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 定期的に中毒や死亡事故で知られる硫化水素

 以前、自殺に多用され、その自殺方法をマスメディアが流したことから、いくつもの石灰硫黄合剤入浴剤が販売停止、倒産となったニュースをまだ覚えている人もいるかもしれません。

 硫化水素は自然に多く発生するガスで、火山性ガスの中でも有毒ガスといえば硫化水素といわんばかりに強力なガスです。構造も水素を2つもったイオウということで、分子構造は水に近いものの性質は全く異なります。低濃度であれば、それほど猛毒というほどでもなく、実際に温泉に含まれているのも知られています。

 微量の硫化水素が溶けた水はむしろ健康増進(免疫を刺激して活性化させる)にもなるという話もある上、ゆで卵や卵が腐った臭い、下水の臭いなどにも検出されるように非常に身近な気体と言えます。この臭いを感じる濃度は意外と狭く、0.03ppm~10ppmくらいの微量に対して強く臭いを感じます。

 健康な成人が1日8時間被曝しても影響がない最低限の許容濃度が10ppm(0.0001%)です。20~30ppmぐらいの濃度になると、そもそも腐食性のあるガスなので臭覚細胞が嗅覚疲労を起こし、数秒で臭いを感じなくなるという恐ろしさがあります。数百ppm以上ともなると、臭いを感じる前に意識低下を引き起こし、1000ppm以上では速やかに死に至ります

 そして空気中の混合率がパーセントレベルの高濃度(毒性としては即死するレベル)になってくると、引火性(爆発性)ガスとしての性質も発揮します。この爆発性のある濃度を爆発限界といって、数%~50%の状態であれば、タバコの火や静電気の火花程度で大爆発を起こします。

 この性質から、自殺に硫化水素を使うと0.06%(600ppm)であれば30分以内に死亡し、ppmってレベルじゃない濃い気体を吸い込むと瞬間的に死ぬので安楽死……と広まったわけですが、高濃度ガスはショックや予測不能な生理現象を引き起こすことがあるので、必ずしも安楽死ではありません

 実際に失敗した人の体験談では、猛烈な頭痛や吐き気、悪寒、呼吸困難、気管支炎、気管を中心に激しい痛みなどを体験する場合もあるようです。また自殺に失敗した場合、肺水腫などの循環器系障害が重くのしかかることになります。

 さらに死後には、ガスの行方をまったくコントロールできなくなるため、高濃度の引火性の濃度になることもあり、また、救助に入った人をまき沿いにしてしまう等、自殺の方法としては超絶迷惑な方法といえます。

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