メキシコ大統領が「謎の生物」の画像を公開! マヤ文明の精霊と主張するが…
今月26日、メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領は、自身の公式ツイッターアカウントで、木の上に座っている奇妙な生物の写真を公開した。この写真は、「3日前に無名のエンジニアによって撮影されたもの」だと書かれている。
Les comparto dos fotos de nuestra supervisión a las obras del Tren Maya: una, tomada por un ingeniero hace tres días, al parecer de un aluxe; otra, de Diego Prieto de una espléndida escultura prehispánica en Ek Balam. Todo es místico. pic.twitter.com/Tr5OP2EqmU
— Andrés Manuel (@lopezobrador_) February 25, 2023
この生物は「アルーシュ」と呼ばれるマヤ文明※の神話に登場する精霊の一種だと大統領は主張している。この精霊はナワトル族からはチャネケまたはチャネクとも呼ばれるそうだ。
※ マヤ文明は、かつてメキシコ南東部やグアテマラ一帯を中心に栄華を誇った古代文明。紀元前3000年頃から、16世紀末にスペイン人の侵攻により滅ぼされるまで、長きにわたり独自の文化を継承してきた。中でも人類の滅亡を予言しているとされるマヤ暦は特に有名。また、マヤ神話の最高神であり創造の神とされるククルカンは、アステカ神話にも登場し、ケツァルコアトル(羽毛ある蛇)と呼ばれ、人類に知恵を授けた存在とされるが、これが宇宙人と同一視されることもある。
写真に写ったアルーシュだとされる生物には後光が差す頭部と、燃えるような2つの目、腕、膝、脚があることが確認できる。
大統領が公開した2枚目の写真は、アルーシュを描いた彫刻の一部で、メキシコのユカタン州にあるマヤの都市エクバラムに存在する。
アルーシュは人間の膝の高さぐらいの小さな精霊で、その姿は伝統的な衣装を身にまとったマヤの人々のミニチュアに似ていると考えられている。伝承では、いつもは人々の目に見えないが、人間とコミュニケーションを取ったり、あるいは脅かすために物理的な姿になることもあるという。
トウモロコシ畑、水域、財宝、そして聖域を守る役目を持つ一方、いたずら好きな性格で、夜になると畑を徘徊し、石を投げたり騒音を立てたりして人々の眠りを妨げるといわれている。
この写真も人間にいたずらをしにやって来たアルーシュを偶然捉えた1枚だったのだろうか?
大統領は知らなかったのかもしれないが、実はこの写真は2年前にネット上で話題になっている。メキシコのヌエボ・レオン州の公園で撮影されもので、アルーシュではなく「魔女(bruja)」を撮影したものだと言われていた。
大統領がなぜ「3日前に撮影されたアルーシュ」だと言ったのかは現在も不明だ。
参考:「@lopezobrador_ (Twitter)」「debate」ほか
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