未確認生物「ビッグフット」の正体をめぐる5つの有力な仮説! 失われた人類、ギガントピテクス、異次元の存在…

 最も有名な類人猿UMA※1であるビッグフット※2が広く注目を集めるようになって70年近くになるといわれているが、その存在については今なお熱い議論が繰り広げられている。議論を整理するために先日の「Daily Mail」の記事ではひとまず現時点で最も説得力を持つと思われる5つの理論を解説している。

※1 UMA(ユーマ、Unindentified Mysterious Animal)とは未確認生物を意味する和製英語。未確認生物とは何世紀にもわたって語り継がれてきた物語や伝説に登場したり、また、今日でも目撃例があるが実在が確認されていない生物のことだとされている。物語、伝説、噂話などで語られる生物であるため、科学的な対象ではなく、“オカルト”に分類される。英語圏で、未確認生物はCryptid (クリプティッド)と呼ばれ、これを研究する学問はCryptozoology(クリプトズーロジー、暗号生物学)と呼ばれるのが一般的。

※2 ビッグフットとは森の中を歩き回る大きくて毛むくじゃらの大型類人猿のような未確認生物。一般的に身長2~3m、体重200~350kgの巨体で怪力、直立二足歩行をしているとされ、カナダやアメリカの民間伝承では「サスカッチ」とも呼ばれる。その姿は大型化したゴリラやチンパンジーのようにも見える。これによく似た未確認生物にヒマラヤの「イエティ」、オーストラリアの「ヨウィー」、そしてシベリアの「チュチュニア」などが報告されているが、それぞれの関係性は不明。

1.
ビッグフットは失われたヒト種族

 10年前、米テキサスの獣医師、メルバ・ケッチャム氏は5年間に及ぶ独自のビッグフットDNA研究から、ビッグフットは未知の霊長類のオスと人間の女性のハイブリッドであると主張して話題を呼んだ。

 ケッチャム氏とその同僚は、北米中の30以上の場所から集められたビッグフットの毛髪、血液、粘液、足の爪、樹皮の擦り傷、唾液、皮膚などの111のサンプルを5年間かけて収集して、そのDNAを詳しく検査した。分析の結果、ビッグフットは約1万5000年前に人間と交配して誕生した種であるとの結論に達したのである。

 学術誌「DeNovo Scientific Journal」に掲載された研究論文によると、ビッグフットのミトコンドリアDNAは明らかに人間のものであったのだが、核DNA(nDNA)は新しい構造と配列を持っていることが示されたという。このデータはビッグフットが現生人類の直接の母系子孫であることの決定的な証拠になるというのである。そしてケッチャム氏はビッグフットを「先住民」として扱い、保護すべき対象であると説明している。

未確認生物「ビッグフット」の正体をめぐる5つの有力な仮説! 失われた人類、ギガントピテクス、異次元の存在…の画像1
画像は「Pixabay」より

 しかし一部の専門家からは、それらのサンプルの信ぴょう性に疑問を呈し、さらに掲載された学術誌はきわめてマイナーなものであり、査読を受けていない研究論文であることも指摘された。

 人類とビッグフットは兄弟の関係にあると結論づけられた5年の歳月をかけた魅力的な研究ではあるのだが、疑惑は晴れないままである。

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