「獣姦ビデオ」と陰毛への執着を含む伝説のポルノ王の奇妙な性生活

 異常な性的欲望に衝き動かされて“帝国”を築きあげた“モンスター”の1人、2010年に79歳で死去した伝説のポルノ王、ボブ・グッチョーネの破天荒な生涯があらためて脚光を浴びている――。

■“ペット”だった女性の回想

 アメリカの男性娯楽誌『プレイボーイ』の売り上げを上回る時期もあったライバル誌の『ペントハウス』だが、その創業者であるボブ・グッチョーネの生涯に再び注目が集まっている。

「Daily Star」の記事より

 10月29日から放映がはじまった新たなテレビシリーズ『The Secrets of Penthouse(ペントハウスの秘密)』はボブ・グッチョーネと『ペントハウス』誌の功績を追った内容のドキュメンタリーである。グッチョーネは最盛期には500億円近い財産とニューヨークの邸宅を持っていたにもかかわらず、晩年は5人の子供たちとも疎遠になって2010年に無一文でこの世を去った。

 79歳で亡くなったグッチョーネだが、生前は“ペット”と呼ばれる若いモデルを募集して自宅の屋敷に住まわせ、乱交パーティーやさまざまな性行為に参加させていた。グッチョーネの“ペット”の1人であったジェーン・ハーグレイブさんはそこで過ごした日々について語っている。

 カトリック系の学校に通っていたイギリス人のジェーン・ハーグレイブさんは、18歳の時にグッチョーネのモデル募集の広告を見つけて面接を受けたのだった。

「彼はかなりの存在感を持っていました。彼は大きな権力と、とても深い“神の声”を持っていました」と彼女は回想する。

「彼は私を見る必要があると言いました。私は二階のバスルームに行って服を脱がなければなりませんでした。そして彼は寝室で座っていました。私は裸でそこに立っていました。そこでは自分の内気さを克服する必要があったのです」(ハーグレイブさん)

 即採用となった2週間後、新生活をはじめるべく彼女はニューヨークに飛び、その後撮影のためにホンジュラス近くのプライベートアイランドに行き、そこでグッチオーネと“友情を育んだ”のだった。滞在中にグッチョーネは彼女の了承を得てその陰毛を整えたという。これもまた彼の性的嗜好であったのだろうか。

 この時期すでに億万長者であったグッチョーネは、新しいパートナーである同社幹部のキャシー・キートンとともに42部屋のニューヨークのタウンハウスに住んでいた。そこには彼の“ペット”たちも同居していたのである。

 夫妻のベッドルームはシャワールームを介して寝室とつながっており、妻が隣で寝ている間、グッチオーネはハーグレイブさんを寝室に招き入れてスリリングなプレイを楽しんだという。

 そしてハーグレイブさんは彼から衝撃的なビデオを見せられたという。

「彼は女の子が豚とセックスするビデオを持っていました。彼は私にショックを与えたかったのだと思います」(ハーグレイブさん)

 この「獣姦ビデオ」はほかの女の子たちにも見せられていたという。ということはこれは広い意味での“洗脳ビデオ”であったのかもしれない。

「Daily Star」の記事より

■巻き込まれた子供たち

 グッチョーネの破天荒な生活には家族も否応なく巻き込まれることになった。

 彼の子供である女児ニーナと男児ニックは当時このペントハウスに同居しており、まだ年端もいかぬうちから裸とセックスを見せられてきたと明かしている。スタジオと化していた屋敷の部屋では日常的にヌードやポルノなどの性的な撮影が行われていたのである。

画像は「YouTube」より

 男児のニックは数歳年上の“ペット”の女の子たちに可愛がられて自然と仲がよくなり、結局のところ15歳の時点で彼女たち全員と性交渉を持ったという。グッチョーネは息子のニックに対し女の子たちに近づくことを禁じていたのだが、そうはいっても同じ屋敷で暮らしていれば近づく機会はいくらでもあったということだろう。

 夫婦の4人の子供のうちの末っ子であるニックは、若い女性に対する父親の欲望が両親の結婚生活を引き裂いたと語る。

「父はよく母に家から出るように頼んでいたので、母は実家に行きました。そして彼は見知らぬ女の子を自分のアパートに招き入れ、彼女たちを撮影したのです」と彼は回想する。父親は母親や家族のことを省みず、雑誌の仕事を最優先にしていたということだ。

 一方で“ペット”の女の子たちとあまり年が違わない女児のニーナだったが、父親は何人もの若い女の子と寝ていたと話す。

「彼は女の子たちに経口避妊薬を服用させていました。彼は、撮影前に女の子たちの胸が少し大きくなってより官能的になると言っていました」と彼女は振り返る。

 そしてニーナは18歳の時に父親が手がけたポルノ映画の上映会に強制的に連れて行かれたことがあり、それは「本当に恐ろしい」体験であったという。

「セックス映画など一度も見たことがありませんでした。言葉を失い、非常に動揺しました」と彼女は振り返る。

「良い親は自分の子供をそのような目にさらすべきではありません。しかしナルシストである彼には共感力がありませんでした」(ニーナ)

画像は「YouTube」より

 このように全盛期には栄華を極め破天荒な暮らしを送っていたグッチョーネであったが、90年代のオンラインポルノの台頭により『ペントハウス』の発行部数は急落し、2003年に『ペントハウス』の出版社ジェネラル・メディアが破産を申請し、グッチョーネは会長を辞任した。

 マンハッタンのタウンハウスは2009年に70億円で売却され、グッチョーネはその1年後、4番目の妻であるエイプリル・ウォーレンに見守られながらテキサス州プラノであの世へと旅立った。

 破天荒なボブ・グッチョーネの生涯に何を感じるかは人それぞれではあるが、今の時代ではまず実現不可能な“ピカレスクロマン”あることは間違いない。

参考:「Daily Star」、「The Sun」ほか

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文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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