巨人伝説が誕生したきっかけ?!各所で発見される高身長の化石たち
人類は何千年もの間、ギリシャ神話のサイクロプスから聖書のゴリアテまで、巨人に関する物語を共有してきた。これらはただの創作話なのか、それとも巨大な人間が本当に地球を闊歩していたのか。
身長約3メートルの人間を巨人だと考えるなら、その通りかもしれない。ギネス世界記録によると、記録上最も背の高い人物であるロバート・ワドローは、1940年に22歳で亡くなるまでに2.72mまで成長した。
ワドローは、現在の米国男性の平均身長である1.75 mをはるかに上回り、聖書のゴリアテの記述の一部の解釈よりもさらに高かった。しかしながら、ワドローにの身長は病気の結果であった。
ロンドン大学クイーン・メアリーの内分泌学教授マータ・コルボニッツは科学情報サイトのライブサイエンスに対し、「巨人症患者の大半は成長ホルモンの問題を抱えています」と語った。「それがロバート・ワドローが持っていたものです」と語っている。
巨人症の主な原因は、脳の下垂体から分泌される成長ホルモンの濃度上昇である、とコルボニッツは指摘する。ほとんどの場合、この高値は良性腫瘍が原因だ。だが、ワドローのような背の高い人が現代再び現れる可能性が低い理由の1つは、巨人症と腫瘍が人の健康を危険にさらすため、医師が腫瘍を切除し、成長を止める薬を使用できるようになったことだ。
異常に背が高くなる原因は他にもある。その中には、骨を長く成長させる遺伝性疾患であるマルファン症候群も含まれる、とコルボニッツは説明した。
しかし、そのような病状がなくても極端な高さに成長する人もいる。その中には、7フィート9インチ(2.36 m)の元世界一背の高いバオ・キシシュンも含まれている。こうした人はおそらく、身長が高くなりやすい一連の遺伝子変異を有している、とコルボニッツは述べた。
現代に生きている巨人を研究するのは研究者にとって簡単だが、極端に背の高い人々は常に存在していた可能性が高い。知られている巨人症の最古の例は、1.87mの古代エジプトのファラオとされている。一方、コルボニッツの研究では、実在したアイルランドの巨人の多くが、2,500年前の人物から遺伝子の突然変異を受け継いでいることがわかった。
「人類が誕生して以来、我々はこれらの病気にかかってきました。したがって、古代エジプトや人類史上の他のどの時代にも、これらの巨人がいなかったという証拠はない」とコルボニッツは述べる。
遺伝学は幼少期の食事などの環境因子と組み合わさって身長を決定し、文明の進歩とともに集団はしばしば時間とともに背が高くなる。しかし、それは一貫して同じ割合で高くなるわけではない。
チェコ共和国のブルノにあるマサリク大学の研究者であるパヴェル・グラスグルーバーは、約2万9000年前のマンモス狩りをしていたグラベット文化後期の男性骨格の一部は、その並外れた身長の高さが際立っており、巨人に関する神話を生み出すきっかけにもなったと語っている。これら人骨のうち最も背が高いものは、イタリアのグリマルディ洞窟システムで発掘されたもので、1.96mあったと推定されている。
「考えてもみて下さい。これらの骸骨が発見された時代のヨーロッパの男性の標準身長は170センチ以下だったのです」とグラスグルーバーは述べた。「当時の科学者たちにとって、彼らが『巨人』に見えたのも無理はありません」
研究者たちは、この背の高い遺骨がグラベット時代の人口を代表するものかどうかはわからない。それでもグラスグルーバーは、フランスとモラヴィア(現在のチェコ共和国)の歴史的地域の初期後期旧石器時代の集団では、背の高い男性が典型的であり、現代の工業国が20世紀半ばまで到達しなかった身長を達成していたと指摘した。
「初期の後期旧石器時代の狩猟民がこのような良好な身体状態であった理由は、人口密度が低く、マンモスや他の大型哺乳類のような獲物が豊富であったことです」とグラスグルーバーは語った。
巨人の存在は、古代から現代に至るまで人々の興味を引き続けている。身長に関する神話や伝説は、遺伝的要因や環境要因が絡み合っている結果なのかもしれない。科学技術の進歩により、その謎は少しずつ解明されているが、巨人の物語は今後も人々を魅了し続けるだろう。
【参考記事】Live Science
【アトラス関連記事】
南米に巨人の文明が存在していた?!アマゾンの「古代モホス文明」
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「ブライスの地上絵」コロラドの砂漠に描かれた巨人絵の謎
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【本記事は「ミステリーニュースステーション・ATLAS(アトラス)」からの提供です】
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