「人殺しを雇える」「犯罪現場がライブ配信されている」噂は本当?元サイバー犯罪者が語るダークウェブの現実
インターネット上にある情報をすべて閲覧するにはもはや一生かけても無理だが、なんとインターネットの500倍の電脳空間が広がっているともいわれているのがダークウェブだ。このダークウェブの真実について、元サイバー犯罪者が口を開いている。
■元サイバー犯罪者が語るダークウェブの実態
近所にいる人殺しを簡単に雇うことができるとか、暴行現場の映像がライブ配信されているなど、さまざまな物騒な憶測や恐ろしい噂が飛び交っている「ダークウェブ」だが、その実態はどうなっているのか。
米オンラインメディア「Buzzfeed」が行ったインタビューで、「Pizzabagel(ピザベーグル)」というハンドルネームの改心した元サイバー犯罪者が、ダークウェブに関する疑問にすべて答えている。彼によればそこには大きな誤解があるという。
「Pizzabagel」が取り上げた最初の指摘は、悪名高い“赤い部屋”に関するものだ。
“赤い部屋”とは、恐ろしい暴力行為 (殺人、拷問、四肢切断など) をライブ配信しているといわれている真っ赤な部屋のことである。
「何も存在しないとは言えませんが、私は聞いたことも見たこともありません」と彼は説明する。
実際、彼は“赤い部屋”が単なる空想の産物であると確信しており、それが存在しないことに“賭け”ているということだ。
次にピザベーグルが誤解を解いたのは、殺し屋がダークネットで簡単に雇えるという噂だ。
確かに接触できる殺し屋は存在しているのだが、ピザベーグルによると、ダークウェブで殺し屋を雇うというのは「まったく一般的ではない」とのこと。
「(ダークウェブで雇われた殺し屋に)殺されたという話は聞いたことがありません」と彼はコメントする。
では、ダークウェブには何があるのか?
ピザベーグルは、ダークウェブの最大のメリットの1つは、厳しく検閲されている国のジャーナリストや個人が、生の情報へ制約なく安全にアクセスして共有できることだと説明する。
しかしダークウェブでは犯罪行為が依然として行われているため、パスワードやクレジットカード情報などの機密データがダークウェブで売買される可能性があることを認めており、セキュリティを真剣に考えることで自分自身を保護できると彼は説明する。
結局のところダークウェブは根深く「誤解されている」場所だと彼は考え、ダークウェブは通常のインターネットの不気味で暗い“闇”ではないのだという。
「それは、コードが何行も走り回っている恐ろしい黒い背景ではありません。それはすっきりとしたインターフェースです」(ピザベーグル)
もちろんダークウェブにアクセスするのは“自己責任”だが、その噂を盲目的に信じることもナンセンスである。そして今は彼のようなサイバー犯罪者から一般の人まで、ダークウェブについて言及しているユーザーが多く存在している。場合によっては解決策にもなることがあるかもしれないダークウェブについての正しい理解が求められているのだろう。
参考:「LADbible」ほか
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