【未解決】ディズニー客船から忽然と消えた美女に何が起きたのか? 監視カメラの異様な映像、次々と覆る証言…

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画像は、「YouTube」より

 2011年3月21日、ディズニー・クルーズ・ラインが運行する「ディズニー・ワンダー」の豪華客船が、メキシコ・ハリスコ州プエルト・バヤルタに向かうため、米カリフォルニア州ロサンゼルスを出航した。2,400人を収容できる船の乗組員は約950人だった。

 この日、乗組員の1人に英チェスター出身の女性、レベッカ・コリアム(当時24)がいた。彼女は社交的で幸せな女性で、FacebookとSkypeを使って故郷の家族と定期的に連絡を取り合っていた。この日の夜も、翌日に母親に電話をかけるという簡単なメッセージを送った。しかし翌朝、娘から電話がかかってこなかったことに対して、母親は不安を抱いた。午前9時、レベッカはシフト開始時間になっても現れず、部屋にも姿がなかった。船内の捜索が隅々まで行われるも、レベッカは一向に見つからない。最終的に当局に通報され、レベッカ失踪の公式捜査が開始された。

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 米沿岸警備隊とメキシコ海軍は周辺の海を捜査したが、レベッカ発見の手がかりはまったく見つからなかった。当局は船内の監視カメラ映像を調べて、失踪前夜のレベッカの行動を正確に把握しようと試みた。午前5時45分頃に撮影されたクルーラウンジの映像では、レベッカが内線電話で話している姿を確認できた。このとき彼女はメンズのシャツを着ており、非常に苦しそうに話していた。若い男性が彼女に近づいて大丈夫かどうか尋ねたが、彼女ははっきりと「私は元気です」と応えている。その後、彼女は再び激しい口調で通話を続け、怒って電話を切り、そのまま立ち去った。警察は乗組員や他の乗客に聞き込み捜査を行ったが、それ以降は誰も彼女に会っていなかった。他の監視カメラ映像にも彼女の姿は映っていなかった。

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 捜査の初期から、レベッカの家族はディズニーに対して不信感を抱いていたとされる。レベッカの失踪が最初に報告されたとき、ディズニーは通常の捜索手順を無視し、彼女を探そうとしなかったというのだ。また、捜索が開始されたとき、米国沿岸警備隊とメキシコ海軍には誤った座標が教えられ、しばらく誤った場所を広範囲にわたって捜索していた。また、ディズニーは事件から3日後にバハマ王立警察に連絡し、同警察から派遣された捜査官もたった1人だった。この捜査官はディズニーのプライベートジェットでロサンゼルスへと移送され、船が港に戻った後、聞き込みを行ったのは950人の従業員のうちたった6人だった。乗客には一切聞き込みを行わなかったという。

 ディズニーの関係者は、レベッカの姿が最後に確認されたラウンジのすぐ隣にある「デッキ5」と呼ばれる場所で、巨大波によって船外に流されたと説明した。しかし、デッキ5は巨大波を防ぐため非常に高い壁で囲われており、実際に何かが到達した痕跡もなかった。後に、レベッカの所有物とされるサンダルがデッキ5で回収された。レベッカの家族によると、ディズニーは行方不明者を捜索するよりも、船を再出航させたがっているようだったという。家族の反対にもかかわらず、ディズニーは巨大波に固執し、事件は解決したと主張した。

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 同年10月、ジャーナリストのジョン・ロンソン氏が独自調査を行い、新たな事実が発覚した。当時の乗組員への聞き取りで、ディズニーやバハマ王立警察が公式に認めた以上のことを知っているが、誰にもこの問題について話すことは許可されていないと話したという。ロンソン氏はレベッカが海に身を投げたり、船外に流されたりした可能性も調査したが、船は高い壁で囲まれており、これらの可能性はかなり低いと結論づけた。さらに、船内のいたる場所に監視カメラが取り付けられているにもかかわらず、レベッカがラウンジに行った後の映像が一切存在しないのも不可解だった。ロンソン氏は、ディズニーが他の監視カメラ映像を隠していると確信したが、彼の調査に協力した誰もがレベッカが船外に出たと主張して譲らなかった。

 レベッカの失踪から数カ月後、彼女の銀行口座に動きがあったことと、彼女のFacebookアカウントのパスワードが変更されたことに彼女の家族は気づいた。これらは新しい手がかりであるにもかかわらず、ディズニーは巨大波に拘り、確固たる証拠も見つからないまま公式の捜査は終了した。

 2016年、レベッカの家族に雇われた私立探偵のロイ・ラム氏が不気味な事実を明らかにした。まずラム氏は、レベッカが消えた日の天気は穏やかだったため、巨大波が発生する可能性はほとんどなかったと主張する。また、事件の主な証拠である監視カメラ映像の一部が切り取られ、タイムスタンプと場所が変更されていたこと、ラウンジが実際にはデッキ5から遠く離れたデッキ1の近くにあったことにも気づいた。デッキ5で発見されたレベッカのサンダルも、実際は別の乗客のものであり、レベッカの足のサイズに合わないものだった。レベッカの私物の中に破れたショーツがあったことから、彼女が性的暴行を受けたのではないかとラムは述べた。

 そして2017年、レベッカのガールフレンドでもあった同僚のトレイシー・メドレーが事件について語った。トレイシーは事件の夜、自分と自分のボーイフレンドがレベッカと性行為をしたと主張する。トレイシーによると、レベッカは数週間前からトレイシーとの関係に悩んでおり、結果として高い壁をよじ登って海に飛び込んだという。一方で、レベッカの家族や友人は、彼女が自殺したという話を強く否定している。

 レベッカはディズニーが主張するように巨大な波に流されたのかもしれないし、自ら壁をよじ登って海に身を投げたのかもしれないし、もしかしたらどこか別の土地で別の人生を楽しんでいるのかもしれない。謎が謎を呼ぶレベッカ失踪事件だが、その真相は現在も闇の中である。

参考:「All That’s Interesting」、ほか

 

※当記事は2022年の記事を再編集して掲載しています。

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文=標葉実則

タヒねばいいのに → しねはみのり → 標葉実則。エログロオカルトを得意とするライター。世界中の猟奇事件、奇病、フェチ、カルト宗教、オカルト、都市伝説、陰謀論などのアングラ情報を蒐集して文章化します。
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