「ロアノーク植民地集団失踪事件」が400年前の“古地図”により解明か!?

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画像は「Daily Mail Online」より

 アメリカ植民地時代の最大の謎とされる「ロアノーク植民地集団失踪事件」。400年以上もの間、歴史家たちを悩ませてきたこの謎に、一枚の古地図が新たな光を投げかけている。

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突如として消えた115人の入植者たち

 1587年、イギリスのエリザベス1世の命を受けた115人の入植者たちが、北アメリカのロアノーク島(現在のノースカロライナ州沖に到着した。これは、北米大陸における最初のイギリスによる永住入植の試みであり、特筆すべきは女性や子どもたちも含まれていたことだ。入植者の中には、入植地の総督ジョン・ホワイトの妊娠中の娘エレノア・ホワイト・デアもいた。エレノアは間もなく女児を出産し、新大陸で最初の英国人の赤ちゃんとしてバージニア・デアと名付けられた。

 しかし、物資補給のため一時帰国していたホワイト総督が3年後に戻ってきた時、植民地全体が忽然と姿を消していた。残されていたのは、ロアノーク島の南に位置する別の島の名前「CROATOAN(クロアトアン)」と刻まれた木柱だけであった。これ以来、115人の入植者たちの運命は、病死説、先住民による虐殺説、スペイン人による殺害説、先住民との同化説など、様々な推測を呼んできた。

光にかざされた古地図が語る真実

 2012年、大きな転機が訪れた。大英博物館の学芸員キム・スローンと紙資料修復士のアリス・ルグハイマーが、入植者の一人であり地図製作者でもあったジョン・ホワイトの描いた「ラ・バージニア・パース」という地図を光にかざしたのである。すると、地図上の空白部分の下から、要塞を示す記号が浮かび上がった。

 この発見は、さらに興味深い事実と結びついた。数年前、考古学者ニコラス・ラッケッティは、地図上の要塞記号の位置に該当する場所(現在は「サイトX」として知られる)で、16世紀の英国製陶器の破片を発見していたのである。この場所は、ロアノーク島から約160キロメートルの距離にある。

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画像は「Daily Mail Online」より

 その後の詳細な調査で、この場所からは靴紐の金具、布を張るための釘など、さらなる英国製の遺物が発見された。ノースカロライナ州のファースト・コロニー財団(FCF)の研究者たちは、これらの遺物は、ロアノーク入植者の一部が避難してきた証拠である可能性が高いと考えている。特に注目されているのは、この場所に先住民の村メタクムがあったという事実だ。入植者たちは、困窮の末にこの村に助けを求めたのかもしれない。

謎を深める「デア・ストーン」

 1937年に発見された「デア・ストーン」と呼ばれる石板も、入植者たちの運命を示唆する重要な手がかりとされている。この石板には、ジョン・ホワイトの娘エレノアによって書かれたとされる文章が刻まれており、入植者たちがロアノークを離れた後の苦難の日々が記されている。石板によれば、入植者の半数以上が死亡したという。また、海岸に船が近づいてきたという知らせについても言及されている。

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デア・ストーン 画像は「Daily Mail Online」より


 400年以上の時を経て、ロアノーク失踪事件の謎は少しずつ解き明かされつつある。新たな発見は、入植者たちが単純に消失したのではなく、生き延びるために内陸部へ移動し、先住民との接触を試みた可能性を示唆している。ファースト・コロニー財団は、さらなる調査を継続する予定だ。アメリカ最古の入植地の人々の運命は、まだ私たちに語るべき物語を残しているのかもしれない。

参考:Daily Mail Online、ほか

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