長期間失踪した子どもが、突然“同じ格好で”戻ってきた未解決事件! 非現実の世界、謎の異臭や音…

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 不可解な“空白時間”を持つ子どもたちがいる。両親をはじめとする必死の捜索の中、予期せぬ形で無事発見された子どもたちはこの“空白時間”中に何も記憶がなかったり、まったく別の世界に足を踏み入れた体験を話したりしているのだが――。

※奇妙で不気味な体験談ばかりの前編はコチラ

■1984年:ルーマニア

 1980年代には、ルーマニアの山村でも奇妙な出来事が起こっている。

 1984年、北カルパティア山脈にあるリゾート地で知られるバトラ・ドルネイの山村に夏休みで訪れていた4歳の少年は、ある天気の良い日に祖父母と一緒に村の見物に出た。

 美しい自然を満喫した後、祖父母は町のブティックで買い物をするつもりだったのだが、少年は自分でもはっきりした理由は思い浮かばないものの、どうしてもこの店に入りたくなかった。祖父母は彼を店の中に押し込もうとしたのだが、少年は「今、僕は犬なんだ」と飼い犬のように店の前で待つと言って、店の前の街灯のポールにしがみつき、入店を拒んだ。

 諦めた祖父母は「だったらそこでワンちゃんみたいにおとなしくしてなさい」と言って店の中に入っていった。

 店先で“犬”になる体験を通じて、少年は意識の変容を感じたという。

 知らぬうちにどういうわけか店から500メートルほど離れていることに気づいた少年だったが、辺りに人がまったくなくなったことも察知したという。

 町でひとりぼっちになった少年は、次に聴覚を失った。川と風の音、鳥の鳴き声はすべて消え、自分の声すら聞こえなかった。周囲は完全な沈黙に包まれ、自分の影が周囲に6つもあったという。そして空を見上げると太陽も月もなく暗黒の空間が広がっていた。

 一連の奇妙な体験の中で確かなものは街灯のポールだけで、少年はポールにしがみつくことに意識を集中した。少年は店の前で祖父母と別れてから5分間ほどがたったと感じていた。

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 次の瞬間、祖父が肩をつかんできて泣き出しそうな顔で今までどこにいたのかと聞いてくるのだった。そして周囲に向かって「見つかったぞ!」と叫んだのだ。すると祖母を含めて10人もの大人たちが安心した顔をして集まってきたのだった。

 祖父の話によれば、捜索隊を結成して行方不明になった少年を探していたようだった。しかし詳しいことは少年には話さず、どのくらいの間、行方不明になっていたのかなどについてはわからないままであった。

 少年はその後、親族と共にすぐにこの村から去ったということだが、帰宅後に発熱して3日間寝込むことになったという。医師の診断は食中毒だったが、村に滞在中、みんな同じものを食べていたのに少年だけ食中毒になるのはどう考えても不自然であった。

 少年時代のこの体験を思い出すたびに、あの時自分は“現実の向こう側”に行っていたのだと信じるようになったという。

■2013年:米ミシガン州

 近年では2013年に起きたケースが特殊だ。その年の夏、2歳の女の子、アンバー・ローズ・スミスはミシガン州ニウェーゴ郡の自宅の真ん前で姿を消したのだ。

 それまで父親は家の中からアンバーが2匹の飼い犬と遊んでいるのを何度も確認していたのだが、外に出るために目を離したわずかな隙に、アンバーが忽然と姿を消した。名前を呼んで辺りを探すも何の応答もなく父親は途方に暮れるばかりであった。

 何百人ものボランティアと救急隊員たちによって集中的な捜索が開始されたがすぐには見つからず、翌日になって自宅から約3キロ離れた森の中で発見された。この場所は捜索隊が一度は探した場所だった。アンバーは何らかの精神的ショックを受けたようで茫然自失の状態であった。

 夏とはいっても朝晩は冷え込む地域で、地元の保安官も2歳の女の子がこの距離を移動し寒さの中を一晩過ごしたとは考えにくいとコメントしている。誰かが関与しているというのだ。しかしアンバーを誘拐したかもしれない人物の情報はこれまでにも一切ない。

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■アメリカ中西部

 同じアメリカ中西部で子ども時代に不思議な体験をした報告もある。

「Reddit」ユーザー名「Winzron」は当時、里親の家族と一緒に森の家に住んでおり、彼と里親の兄弟はよく一緒にハイキングをしていた。何度もハイキングに訪れているので彼らはあたり一帯の地形を熟知していた。

 7月中旬のある日、彼らは森の中をハイキングに出向き、昆虫とカエルがたくさん獲れる場所へと向かった。

 山道を歩いていて、「カチッ、カチッ」というかすかなクリック音が聞こえはじめたという。Winzronには初めて聞く音であった。音は次第に大きくなっていったのだが、不思議なことに兄弟には何も聞こえていないようであった。

 ある地点に来て、兄は趣味でもある木立への彫刻をはじめた。クリック音が不気味だったので今日は戻ろうと提案したものの、兄はいったん取り掛かったことは最後までやらないと気が済まない性質だった。

 仕方なくWinzronは彫刻に熱中している兄の近くで時間を潰さなくてはならなかったのだが、勝手知ったるこの森が、よく見るとまったく馴染みのない場所であることに気づかされた。そして振り返ってみるとそこにいた兄の姿もなかったのだ。

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画像は「Pixabay」より

 怖くなったWinzronは大声で叫び、そしてかなりの距離を走った。その途中、足を一歩踏み外したように感じてつまづきかけた時、家族がWinzronの名前を呼んでいるのが聞こえた。必死の形相をして駆け寄ってきた彼らは数時間、Winzronを探していたと話したのである。

 奇妙なことに、里親家族によれば、Winzronとその周囲には燃えたゴムのような臭いがしていて、Winzronはこの後数日間、風呂に入ってもこの臭いがつきまとっていたという。

 これらの奇妙なケースが示唆するものは何なのだろうか。“パラレルワールド”や“余剰次元”、UFOによる“アブダクション”というワードが浮かんでくるが、ともあれ今後も興味深いこの種の体験談に耳を傾けていきたい。

※奇妙で不気味な体験談ばかりの前編はコチラ

参考:「Mysterious Universe」、ほか

 

※当記事は2020年の記事を再編集して掲載しています。

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