チェルノブイリ事故直後の制御室に入った技術者が語る地獄… 全身が真っ赤に焼ける“核日焼け”と数週間で全滅した同僚たちの最期

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 世界最悪の原子力事故である1986年のチェルノブイリ原発事故――。そこで働く人々はどのような悲劇に見舞われたのだろうか。原発の制御室に最後まで残っていた人物が事故当時の体験について口を開いている。

■チェルノブイリ技術者が悲惨な事故直後を回想

 世界最悪の原子力事故から数時間後の早朝、事故のことを知らずに技術者のオレクシー・ブロウス氏は普段と同じように出勤し、チェルノブイリ原子力発電所4号炉の制御室に入った。

「まるで集団墓地のようでした」とブロウス氏はその日の出勤時のことを振り返っている。

 出勤して制御室に入ったブロウス氏は夜勤シフトリーダーのオレクサンドル・アキモフ氏と、オペレーターのレオニード・トプトゥノフ氏と引継ぎを行った。

「控えめに言っても、彼らの様子は良くありませんでした。明らかに体調が悪そうでした。顔色はひどく青白く、トプトゥノフ氏も明らかに顔色が悪くなっていました」(ブロウス氏)

 交代して勤務を外れた両名は病院へ送られ、数週間後に急性放射線症候群(ARS)で死亡した。

「あの夜働いていたほかの同僚たちも見ました。彼らの肌は真っ赤になっていました。彼らは後にモスクワの病院で亡くなりました」(ブロウス氏)

 原発に勤務していたこともあり、ブロウス氏も放射線被曝による皮膚疾患や火傷について知らされてはいたが、実際にこの症状にある人物を見るのは初めてであった。そして自身もその日の勤務が終わる頃にはまるで灼熱の日差しの下にいたかのように全身が真っ赤に日焼けしていたという。

「シフトを終えた時には、全身が日焼けしたように肌が赤茶色になっていました。服に覆われていない部分、例えば手、顔、首などは真っ赤になっていました」(ブロウス氏)

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 ソ連当局によると、爆発から数週間後、発電所の作業員と消防士29人がARSで死亡した。さらに2人が事故による負傷で死亡している。

 ブロウス氏はその日の出来事を説明しつつ、混乱を収拾しようとするあらゆる努力は最初から失敗に終わる運命にあったと語っている。

 病院に運ばれたブロウス氏だったが、病院には体調を崩した付近住民もいたと話す。

「(事故の)4月26日に自転車で橋にやって来たという男性と病院で一緒に治療を受けました。医師によると彼は軽度の急性放射線症候群を発症したとのことです」(ブロウス氏)

 その男性は事故があった真夜中、ガールフレンドとプリピャチ橋の近くでデートをしたと話し、その後に健康状態に問題が生じたという。

 一方、原子炉セクションの一つで主任技師を務めていたオレクシー・アナネンコ氏は、バルブ修理のために燃料プールに潜水した体験を話している。

「それが私たちの仕事だった。もしやらなければ、ただ解雇されるだけだ。解雇された後、どうやって次の仕事を見つければいいんだ?」(アナネンコ氏)

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オレクシー・アナネンコ氏 画像は「EXPRESS」より

 さらにその後、原子炉の炉心が地下水を汚染し、取り返しのつかない死亡事故の連鎖を引き起こす可能性を防ぐ熱交換器を設置するためのスペースを確保するために、採掘作業員が原子炉の下を掘削するために派遣されている。

 アナネンコ氏はチェルノブイリ事故がソ連政府に行動を促し、秘密主義の文化に終止符を打ったと考えている。

「例えば、あの無益な秘密主義はチェルノブイリ原発事故の要因の一つとなった。作業員が赤いボタンを押しても、原子炉は止まらず、爆発したのです」(アナネンコ氏)

 2019年のテレビシリーズ『チェルノブイリ ーCHERNOBYLー』(原題: Chernobyl)のストーリーは彼らの回想を基にしている。ドラマについてさまざまな見解があるものの、この番組によって災害と被害の規模に再び注目が集まったことを彼らは喜んでいるという。

 ご存知のように日本ではチェルノブイリに次ぐ重大な原発事故が起きている。当然ながらこの先も多くの命を奪った重大インシデントの記憶を風化させてはならない。

画像は「Amazon」より

参考:「Express」ほか

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文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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