人類はどれだけの動物種を絶滅に追いやったのか、驚愕の数字が明らかに

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 地球環境にとって何かと罪深い人類だが、我々は野生動物を絶滅させることにも長けている。2024年の時点で4万2459種もの生物が絶滅の危機にあるとされているが、はたしてこれまで人類はどれだけの動物種を絶滅に追いやったのだろうか――。

■人類は15万~26万種の生物を絶滅させていた!?

 地球環境を順調に(!?)破壊している人類だが、我々はこれまでいったいどれほどの野生生物を絶滅させてきたのだろうか。

 国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストによると、西暦1500年の近代化の始まり以来、合計777種の動物が絶滅している。こうした絶滅の一部は自然現象だったかもしれないが、特に過去500年間に人間が自然界に与えた影響の大きさを考えると、ほぼすべてではないにしても、そのほとんどに人間が関与していることになる。

 IUCNは世界で知られている生物種の約5%についての絶滅リスクを評価しただけなので、記録されていない絶滅はもっとたくさんあるはずだ。2022年に「Biological Reviews」誌に掲載された研究では、およそ1500年以降に知られているすべての生物種のうち15万から最大で26万種が絶滅した可能性があることが示唆されている。

 この500年で最大で26万種もの生物種が絶滅していたとすれば唖然とするしかなく、研究チームのハワイ大学のロバート・カウィー教授も最初はショックを受けて驚いたということだ。

 研究チームの計算では西暦1500年頃以降、知られている約200万種の生物種のうち、おそらく7.5~13%(15万種~26万種)がすでに絶滅していることが推定されてくるという。そして現在の地球上で第6回目の大量絶滅が始まっている可能性が浮上してきたということだ。

 ショッキングな数字であるが、さらに懸念されてくるのは、この数字はあくまでも既知の生物種での話であることだ。地球上にはまだ我々が知らない未知の生物種が相当数いるのだ。そしてその中には我々がその存在を知らないうちに絶滅した種もあったのだろう。

「PLOS Biology」に掲載された2011年の研究では、動物種は約770万種いると推定されている。この数字を直近の500年間にあてはめてみると、人類によるこの500年の動物絶滅数の最終的な推定値は38万1150種となる。もちろんこれは大まかな推定値であり、そのまま鵜呑みにすることはできそうもないが、さらに衝撃的な数字ということになる。

 オーストラリアのマッコーリー大学生物科学部の准教授であるジョン・アロイ氏は生物の多様性と絶滅を定量化することに取り組んでいるが、現代の生物の絶滅率を計算することは事実上不可能だと考えている。

画像は「pixabay」より

 絶滅率全体を理解するにはまず地球上に何種類の生物が存在するかを知る必要があるとアロイ氏は指摘し、推定値にかかわらず、世界の野生生物の多くは科学的に知られていないだけでなく、熱帯地方など研究が進んでいない地域に集中していそうである。さらに悪いことに、昆虫はほかのどの生物グループよりも多くの種を擁しているが、哺乳類や鳥類などの大型動物グループに比べると、未知の昆虫種がどれほどあるのかきわめて想定が難しい。

 とはいえアロイ氏は、人間が絶滅率を悪化させており、絶滅の数はIUCNレッドリストに記録されている777よりもはるかに多いと明言している。これまでにも、そしてこれからも、人類は我々が考えている以上の数千倍、いや数万倍もの生物の絶滅に手を貸していることは間違いない。この罪状を“悔い改める”日がやってくる前に人類が滅亡しないことを願うばかりである。

参考:「Live Science」ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
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