「自然が怖い」若者が急増中? メディアと都市化が生んだ現代病「バイオフォビア」の正体

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「自然の中にいると心身に良い」——私たちは常にそう教えられてきた。ストレス解消や免疫力の向上、子どもの学力アップに至るまで、自然との触れ合いがもたらす恩恵を示す研究は枚挙にいとまがない。しかし、すべての人がその恩恵を受け取っているわけではない。

 一部の人々にとって、動物や植物、あるいは自然そのものは「恐怖」や「嫌悪」の対象だ。この現象はバイオフォビアと呼ばれ、人間と自然の関係性を研究する分野において、これまで見過ごされがちだった。その原因や治療法はまだ十分に解明されていないが、近年、この症状を訴える人々が増加傾向にあるという兆候が見られるという。

「ジョーズ」効果と都市生活がもたらす自然への嫌悪

 ルンド大学の研究チームは、196件の研究を分析し、バイオフォビアの原因を探った。その結果、要因は「外的」なものと「内的」なものに大別できることが分かった。外的要因には、物理的な環境や、映画『ジョーズ』がサメへの恐怖を植え付けたようなメディアによる社会的影響が含まれる。

 一方、内的要因としては、知識不足や年齢が挙げられる。自然の仕組みを理解している人は恐怖を感じにくいが、知識がない人や健康状態に不安がある人は、大型の肉食動物などを過度に恐れる傾向がある。

 この自然恐怖症は、単に「自然を楽しめない」という個人的な問題にとどまらない。特定の動物の駆除を支持する世論につながったり、自然保護活動への理解を妨げたりする可能性があるのだ。

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教育と体験が恐怖を克服する鍵になる

 では、どうすればバイオフォビアを治療できるのだろうか。万人に効く特効薬はないが、いくつかの有効なアプローチが存在する。一つは「暴露療法」だ。クモの写真を見たり、実際に自然の中で過ごす時間を少しずつ増やしたりすることで、恐怖心を和らげる方法である。

 もう一つは「教育」だ。自然界の仕組みやそこに住む生き物について学ぶことで、得体の知れない恐怖を理解へと変えることができる。さらに、野生動物による農作物被害など、現実的な対立を緩和する「紛争軽減」の取り組みも重要だ。

 都市化が進み、野生生物との距離が遠くなる現代において、バイオフォビアはますます深刻化する可能性がある。私たちが健康を保ち、持続可能な生態系を守るためには、自然への愛(バイオフィリア)だけでなく、隠された「嫌悪」にも目を向け、その解決策を探ることが不可欠なのかもしれない。

参考:ScienceAlert、ほか

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