人類と見分けられないエイリアン“宇宙兄弟”はなぜ姿を消したのか?敵か味方か、その真相とは
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宇宙の遥か彼方からUFOに乗ってやって来るエイリアンは、どんな姿をしているのだろうか。今の我々にとって広く共有されているイメージは断トツで“グレイ”タイプなのだが、1950年代のコンタクティーが遭遇したエイリアンは、ほとんど我々と見分けがつかないヒューマノイドのタイプが主流であったという。人類にとって似た者同士である、リアル「宇宙兄弟」ともいえる存在は今も地球を訪れているのだろうか。
■1950年代のエイリアンは友好的な“宇宙兄弟”
地球を訪れているエイリアンがどのような姿形をしているのか、社会学者のクリス・バーダー氏によれば、そこにはいくつものトレンドがあったという。つまり、時代によって我々が抱くエイリアンのイメージは変化しているというのである。
太古の昔からエイリアンが地球を訪れているという見解への支持は根強く、それどころか人間と人類文明を作ったのがエイリアンであるという「古代宇宙飛行士説」も今なお説得力を持っているのだが、エイリアンと接触した人々、つまり“コンタクティー”の個別具体的な証言が広く共有されるようになったのは1950年代からだといわれている。
バーダー氏によれば、「エイリアンとの長期的な交流を主張した初期の人々は、彼らは友好的で、助けになり、高貴な存在であるとさえ語っています」と言及している。外見も人間にそっくりな彼らは我々人類の良き同僚であり“宇宙兄弟(Space Brothers)”であると認識されていたというのだ。
1952年、ジョージ・アダムスキー氏が、金星からやって来た茶色のジャンプスーツを着た5フィート6インチ(約170センチ)のヒューマノイドである「オーソン」に遭遇した。アダムスキー氏によればオーソンは「あらゆる点で地球人に似ている」エイリアンで、「ほぼ完ぺきな英語を話した」という。きわめて友好的なオーソンは我々の相棒であり、エイリアンは“宇宙兄弟”であるとの認識がこの時期に広まったのである。このフレンドリーな人間の姿をしたエイリアンは今も地球を訪れているのだろうか。
しかしこのタイプのエイリアンとの接触証言はその後、徐々に減ってくる。
“宇宙兄弟”の目撃証言は1960年代にはまだかなりの数の報告があったが、1970年代に入ると急激に減少していった。宇宙兄弟はいったいどこへいってしまったのか。そしてこの頃から、人々のエイリアン像は人間と変わらない“宇宙兄弟”から、小柄で頭が大きく、大きなティアドロップ型の目を持つ“グレイ”タイプへと移行していく。そしてコンタクティーたちはそれまでのエイリアンとの平和的な接触から、ある意味で敵対的で搾取的な“エイリアン・アブダクション”を報告することのほうが多くなってきたのだ。
しかし、1980年にイギリスでUFO目撃報告と死体遺棄事件にまつわるミステリアスな事件が続き、当時イングランドのウェスト・ヨークシャーの警察官であったアラン・ゴッドフリー氏が事件を捜査中にUFOに遭遇すると共に奇妙な「時間の消失」を体験したことが報告されている。そしてこの事件は、現役警察官の身に起こったエイリアン・アブダクション事件として当時世界中で話題となった。
関係者の協力でゴッドフリー氏は退行催眠を受けてその時の記憶をたどったのだが、蘇ってきたのはUFOに乗せられて2体の“人間ではない存在”から身体検査を受けたという体験だった。そして、その2体の存在は長いガウンに身を包み、あごひげを生やした人間のような姿であったと語っている。彼らは“宇宙兄弟”であったのだろうか。
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■ミステリーサークルは“宇宙兄弟”の仕業?
ゴッドフリー氏のエイリアン・アブダクション事件は、ある意味では久しぶりに宇宙兄弟の健在ぶりを示唆するものになったのかもしれない。さらに、1989年にも宇宙兄弟を彷彿させるエイリアンの目撃が報告されている。
2009年3月に英紙「Daily Telegraph」に掲載された記事によれば、1989年11月20日午後10時30分ごろ、ノーフォークのノリッジにある自宅近くで犬を散歩させていた女性が、フライトスーツのような薄茶色の服を着た「スカンジナビア風のアクセント」の男が近づいてきた一件を地元空軍に電話で報告していたことが記録に残されているという。
機密解除された記録文書によれば「彼は彼女に、小麦畑に現れる大きな円形の平らな紋様についての話を知っているかどうか尋ねた後、自分は地球に似た別の惑星から来た者であり、円は彼と同様に地球へとやってきた他の者によって形成されたものであると説明した」という。“大きな円形の平らな紋様”とはいわゆるミステリーサークルのことではないかということだ。
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彼らは脅威と見なされることを恐れて、人間と接触しないように言われているのだが、人間に対しては完全に友好的であることを告げてきたという。
男性との“立ち話”は10分ほど続き、その間、女性は終始恐怖に怯えていた。
この男性が立ち去ると女性は急いで自宅に戻ったのだが、外を見ると大きな振動音が聞こえ、木立の中から浮上するオレンジと白の光を放つ球体を目撃したのだった。そしてこの一件を報告すべく地元の空軍に震える声で電話したのである。
女性からの電話に出た英空軍のオペレーターは、会話は約1時間続き、真に迫った電話だったと話したことが記録に残されている。このエイリアンもまた久しぶりに人間の前に姿をあらわした友好的な宇宙兄弟だったのだろうか。
その後は、現在に至るまでこうした典型的な宇宙兄弟と接触したケースはあまり報告されていないようだが、今日の混迷の時代にこそ宇宙兄弟は人類にとって心強い存在となりそうだ。人類に友好的なエイリアンとの接触証言が今後も報告されることを期待したい。
参考:「JSTOR Daily」、ほか
※当記事は2022年の記事を再編集して掲載しています。
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