【実録】映画やアニメが生んだ“現実の犯罪”10選！フィクションが人の心に与える恐ろしき影響とは

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　ホラー映画や人気ドラマ、漫画やアニメ――本来はフィクションであるはずのコンテンツが、現実の凶行を引き起こしてしまうことがある。信じがたいが、実際に“作中の犯行”を模倣した事件が世界中で多数報告されているのだ。今回は、その中でもとくに衝撃的な10の実例を紹介する。

■「スクリーム」模倣殺人事件

　1996年に公開されたホラー映画『スクリーム』は、自己言及的な演出と仮面の殺人鬼“ゴーストフェイス”で一世を風靡した。だが、それは現実にも影を落とした。

　フランスでは16歳の少年が友人を森へ誘い出し、映画さながらにゴーストフェイスの仮面を着けて40回以上刺して殺害。アメリカでは2006年、アイダホ州の高校生2人がクラスメイトを惨殺し、その様子をビデオに記録。「現実のホラー映画を撮る」と語っていたという。

■「デクスター」模倣殺人

　カナダの映像作家マーク・トウィッチェルは、人気ドラマ『デクスター』に心酔するあまり、自宅のガレージに“殺人部屋”を再現。ネットの偽デートで誘い出した男性を殺害し、遺体を切断して処理を試みた。彼は「SK告白録」と題した文書で、自らを「リアル・デクスター」と称していた。

■『時計じかけのオレンジ』の現実化

　スタンリー・キューブリック監督の映画はその暴力描写で賛否を呼んだ。だが、ある16歳の少年が「雨に唄えば」を歌いながらホームレス男性を襲撃した事件を皮切りに、同作を真似た暴力事件が相次いだ。事態を重く見たキューブリック自身が、映画の上映をイギリスで自粛する事態に発展した。

■『ナチュラル・ボーン・キラーズ』の模倣犯罪

　オリバー・ストーン監督がメディアの暴力礼賛を風刺した本作は、皮肉にも現実の“模倣犯”を多数生む結果に。1995年には、オクラホマの10代のカップルが映画を観て殺人を計画。ミシシッピとルイジアナで連続襲撃事件を起こした。

　さらには、1999年のコロンバイン高校銃乱射事件の犯人らもこの映画に影響を受けていたとされる。

■『ファイト・クラブ』の地下爆破計画

　反消費社会をテーマにした同作の“プロジェクト・メイヘム”に触発された17歳の少年が、ニューヨークのスターバックスに爆発物を仕掛ける事件が発生。彼は「企業への反抗だ」と語ったという。その後も“地下格闘クラブ”や“破壊活動グループ”の存在がたびたび報告されている。

■「スレンダーマン」による殺人未遂

　ネット発の都市伝説“スレンダーマン”を本気で信じた12歳の少女2人が、友人を森に連れ出して19回刺すという事件が米ウィスコンシン州で発生。動機は「スレンダーマンへの生贄」だという。幸い被害者は命を取りとめたが、ネット神話の影響の大きさに世界が戦慄した。

※関連記事：12歳少女が「スレンダーマン」に命じられて同級生を19回メッタ刺し！ ネットのジョークから始まった恐怖の怪物の正体とは？

■『デスノート』に影響された模倣犯罪

　死神のノートに名前を書くと人が死ぬという物語を描いた『デスノート』は、世界中で人気を博したが、同時に“模倣ノート”による事件も各国で起きた。

　ベルギーでは遺体のそばに「キラ」と署名された謎のメモが残され、中国や米国、ロシアでは学生による“デスノート風”の殺人リスト作成が問題に。多くの学校が所持を禁じるに至った。

■『ジョーカー』に着想を得た凶行

　ジョーカーの狂気に憧れた男が、2012年コロラド州の映画館で銃を乱射し、12人を殺害。この事件以降、映画のジョーカーに影響された模倣犯が増加。2019年公開の映画『ジョーカー』では、劇場側がマスク着用を禁止するなどの対応を取った。

　日本でも2021年に「京王線のジョーカー」とも呼ばれた男が起こした、京王線刺傷事件は記憶に新しい。

■『ブレイキング・バッド』の模倣者たち

　化学教師が麻薬王に転落する物語は現実にも波紋を広げた。モンタナ州では高校教師が自宅で覚醒剤を製造、ニューヨークの大学教授も校内で“実験”を行って逮捕される事件が発生。さらにイギリスでは、作中の手口を真似て遺体を酸で溶かそうとした事件まで起きている。

■『ソウ』の“ジグソウ”ごっこ

「ゲームをしよう」――犠牲者に極限の選択を迫るサイコホラー『ソウ』は、想像を絶する現実を生んだ。

　2009年、ユタ州の少年たちがトラップ付きの“殺人遊戯”を仕掛け、2011年にはカナダで「リアル・ジグソウゲーム」を予告する手紙が報道機関に届いた。一部の国では『ソウ』シリーズの上映が禁止されるほどの騒ぎとなっている。

フィクションと現実の危うい境界線

　物語は人の心を揺さぶる力を持つが、時にそれが暴走することもある。エンタメ作品の影響力が増す現代だからこそ、「見る側の意識」と「受け取り方」には、あらためて注意を払うべき時なのかもしれない。

参考：Listverse、ほか

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