我々は“10次元の世界”に生きているのか?物理法則が導く“異次元宇宙”の可能性

タテ、ヨコ、高さの3次元に時間を加えた4次元の世界に我々は生きているが、科学者たちは少なくとももう1つの次元が存在すると説明している――。
■人間の意識
ハーバード大学で物性物理学の博士号を取得したマイケル・プラビイカ教授は、人間の意識を超次元性の証拠であるとして説明している。
我々が夢を見たり、瞑想したり、創造的または知的な作業(芸術を創作したり、哲学を熟考したりするなど)に脳を使うとき、私たちの意識はより高い次元に触れると彼は主張する。
プラビイカ教授によると、こうした瞬間に私たちの意識は隠された次元と同期し、インスピレーションの大津波を浴びるという。
言い換えれば、意識の働きとは4次元では説明できない次元に入ることであるということだ。
「人間は私たちの意識と良心の本質である魂の観点から見ると、実は高次元の生き物なのです」とプラビイカ教授は英紙「Daily Mail」オンライン版に話している。
意識を持つ我々はすでに4次元以上の存在ということになるのだろうか。

■宇宙の限界
ビッグバン理論とは、宇宙が約140億年前に1つの微小な点から爆発して誕生し、それ以来拡大し続けているという理論である。宇宙と呼ぶこの途方もなく広大な空間は、直径が930億光年あり、地球上での1年ごとに1光年ずつ膨張している。
プラビイカ教授によると、宇宙の向こう側に何があるのかは分からないが、宇宙が成長し続けるという事実は、その向こう側に高次元の領域が存在する可能性を示唆しているという。
さらに、宇宙学者は宇宙が完全に平坦ではなく、少なくともわずかに「双曲面」(鞍のような形)または球形であるはずだと推測している。
「定義上、これは曲がることのできるより高い次元が存在することを意味します」とプラビイカ教授は語る。
宇宙の彼方に高次元の世界があるのだろうか。

■重力
素粒子物理学の標準モデルによれば、自然界には電磁力、強い核力、弱い核力、重力という4つの基本的な力が存在する。
不思議なことに、重力はほかの基本的な力よりもはるかに弱い。
たとえば冷蔵庫に貼りつけた小さなマグネットは、地球の重力よりも大きな電磁力を生み出しており、したがってマグネットは床に落ちずに済んでいる。ちっぽけなマグネットよりも重力は弱いのである。
欧州原子核研究機構(CERN)によれば、重力の影響の一部は余剰次元にまで広がる可能性があるため、我々は重力の影響を完全には感じられていないという。
余剰次元が存在するなら、宇宙が予想よりも速く膨張している理由や、重力がほかの自然界の力よりも弱い理由を説明できるかもしれない。
また未知の次元は重力波、つまり時空構造の変化を変化させることで、現実に波紋を引き起こす可能性がある。
重力は別の次元にも影響を及ぼしているのだろうか。そしてその結果、この世界では重力がかくも弱まっているということなのか。

■弦理論
弦理論(ひも理論)では、現実はこれまで考えられていたように素粒子(電子やクォークなど)ではなく、無限に小さい振動する1次元の弦で構成されている。
弦理論は、現代物理学の2つの柱である量子力学 と一般相対性理論を統合し、宇宙がどのように機能するかについての説得力のある答えを提供する。
しかし物理学者によれば、弦理論が機能するためには、複数の次元、具体的には10次元または11次元が存在する必要があるという。
「弦理論では、高次元が存在すると仮定しているが、高次元の中には互いに絡み合っているものもあり、小さすぎるため観測できない」とプラビイカ教授は語る。
「問題は、弦理論が現時点では実験的に検証できないことです」 (プラビイカ教授)
弦理論が正しければこの世には5次元どころか少なくとも10次元まで存在することになる。
このように最先端のサイエンスでは高次元の存在はすでに手ごたえを持って感じられているようだ。何らかのきっかけで“異次元の扉”に迷い込んでしまったとしても何の不思議もないのかもしれない。
参考:「Daily Mail」ほか
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