原因と結果は逆になります。 真実の因果関係と時間秩序を量子重力理論が暴く!

 箱の中のネコは生きてもいれば死んでもいるという「シュレーディンガーの猫」は量子論を理解するうえで重要で有名な知見だが、最新の研究ではこれがネコだけでなく時間についてもあてはまることが指摘されている。異なる速度で流れる時間が同時に存在するというのである。

■時間の“量子的重ね合わせ”状態

 フタを開けて実際に“観測”してみるまでは、箱の中にいるネコは生死が表裏一体となった“量子的重ね合わせ(quantum superposition)”の状態にあるというのが、有名な「シュレーディンガーの猫」の解釈だ。

 量子的重ね合わせの状態とは、たとえば生と死という本来相いれない状態が共存している状態である。そしてその生死は“観測”することで“決定”される。

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画像は「Wikimedia Commons」より

 このAでもありBでもあるという量子的重ね合わせの状態が、ネコだけでなく“時間”でも起こり得ることが最新の研究で指摘されている。そしてAとBという異なる流れの時間が同時に存在するのだとすれば“因果関係”において、原因は結果になり、結果は原因にもなる。

 豪・クイーンズランド大学、オーストリア・ウィーン大学、米・ハーバード大学の合同研究チームが今年8月に「Nature Communications」で発表した研究では、思考実験を通じて時間秩序(temporal order)が量子重力理論(quantum gravity theory)でどのように解釈できるのかを考察している。

 量子重力理論は重力の量子論とも呼ばれ、一般相対性理論と量子力学の双方を統一する理論になることが期待されている研究分野だ。ではこの量子重力理論から時間はどのように理解し得るのだろうか。

 研究チームは思考実験として、時間を遅らせるほどの質量を持った巨大な惑星を想定し、その近くに宇宙船がやって来た状況をシミュレーションしている。そしてこの時、宇宙船内では因果関係が逆転した状態にある可能性があると結論付けている。つまり、ある出来事がその前に起こった別の出来事を引き起こす原因になる可能性があるというのだ。いったいどういうことなのか。

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