史上3番目の「恒星間天体」か?太陽系を貫く謎の訪問者「A11pl3Z」

史上3番目の「恒星間天体」か?太陽系を貫く謎の訪問者「A11pl3Z」の画像1
イメージ画像 Created with AI image generation (OpenAI)

 オウムアムア、ボリソフに続く、太陽系外からの「第3の訪問者」かもしれない――。天文学者たちが、太陽系を猛スピードで突き進む、正体不明の天体を発見した。その名は「A11pl3Z」。あまりに速く、あまりにまっすぐなその軌道は、この天体が太陽系のメンバーではないことを強く示唆している。もし確定すれば、人類が観測した史上3番目の「恒星間天体」となる。この謎の訪問者は、一体何者なのだろうか。

太陽の引力を振り切る“弾丸”

 この謎の天体「A11pl3Z」が初めて観測されたのは、6月下旬のこと。ハワイと南アフリカの望遠鏡を使い、自動で夜空をスキャンする小惑星発見システム「ATLAS」が、その姿を捉えた。その後、NASAや国際天文学連合もその存在を確認。現在、世界中の天文学者たちが固唾をのんでその動きを見守っている。

 A11pl3Zの正体は、おそらく巨大な小惑星か、あるいは彗星。その直径は、最大で20kmにも及ぶ可能性がある。そして何より異常なのは、そのスピードと軌道だ。時速約24万5000kmという猛烈な速度で、太陽の引力に捕らわれることなく、まるで弾丸のように我々の太陽系をまっすぐに突き抜けようとしているのだ。これは、この天体が太陽系のずっと外からやってきた「訪問者」であることを示す、強力な証拠である。

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太陽系外から来たと思われる高速移動天体「A11pl3Z」 画像は「Live Science」より

オウムアムアの再来か?史上最大の観測チャンス

 これまで、人類が確認した恒星間天体は、たったの2つしかない。2019年に観測された彗星「ボリソフ」と、そして2017年に世界を騒がせた、あの葉巻型の謎の天体「オウムアムア」だ。オウムアムアはその奇妙な形状と動きから、一部の天文学者の間で「エイリアンの探査機ではないか」という大胆な説まで飛び交った。

 今回のA11pl3Zは、そのオウムアムア以来となる、待望の「訪問者」候補なのだ。

 この天体は、10月23日に太陽に最も接近し、その後12月には地球の近くを通過して、二度と戻らない旅路へと去っていく。幸いなことに、地球に衝突する危険性は全くない。

 そして、今回の観測には過去の2つの事例にはなかった大きなアドバンテージがある。我々の観測技術が、この数年で劇的に進化したことだ。最近初画像を公開したばかりの、世界最強の光学望遠鏡「ヴェラ・C・ルービン天文台」が、A11pl3Zが地球に最接近する頃には本格稼働している可能性が高い。

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A11pl3Zの予測軌道は、恒星間物体であることを強く示唆している 画像は「Live Science」より

人工物か、自然物か。ジェイムズ・ウェッブが謎に迫る

 さらに科学者たちは、この千載一遇のチャンスを逃すまいと、様々な観測プランを提案している。NASAの火星探査ローバーを使って、火星の近くを通過する際に撮影するという案や、さらにはハーバード大学の天文学者アヴィ・ローブ氏(オウムアムアの“宇宙人探査機説”を提唱した人物)は、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡を使い、この天体に「非重力的な加速」がないかを調べるべきだと主張している。

「非重力的な加速」とは、つまり、ガス噴出や、あるいは人工的な推進システムなど、重力以外の何らかの力によって加速していないか、ということだ。もしそんな動きが観測されれば議論は一気に白熱するだろう。

 果たして、A11pl3Zは遠い星系からやってきたただの岩石か。それとも我々の知らない“誰か”が送り込んだメッセージなのか。人類の叡智を結集した史上最大の観測態勢が、今、この謎の訪問者を待ち構えている。その正体が明らかになる日は近い。

参考:Live Science、ほか

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