154光年先から届く「謎の信号」海を持つかもしれないスーパーアースを発見

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 154光年彼方から地球に向けて規則正しく送られてくる「謎の信号」。その正体は、地球外知的生命体からのメッセージ…ではなく、NASAが発見した新たな惑星が放つ輝きだったようだ。

 その星の名は「TOI-1846 b」。地球の約2倍の直径と約4倍の質量を持つ「スーパーアース」だ。NASAの惑星探査衛星TESSが、この惑星が主星の前を横切る際に生じる、ごくわずかな明るさの変化を捉えたのだ。宇宙の広大さを思えば「ご近所さん」と言える距離に、また一つ、私たちの想像力をかき立てる惑星が見つかった。

灼熱の世界に眠る「水」の可能性

 詳細な観測から、この惑星の興味深い姿が浮かび上がってきた。岩石だけでできているにしては密度が軽く、かといって分厚いガスに覆われているわけでもない。この絶妙なバランスから、科学者たちは驚くべき可能性を導き出した。それは、惑星の内部に高密度な氷の層があり、その上に薄い大気、あるいは浅い海が存在するかもしれない、というシナリオだ。

 しかし、この惑星の表面温度は推定約315℃(600°F)という灼熱地獄。とても水が存在できる環境とは思えない。だが希望はある。この惑星は常に同じ面を主星に向けている「潮汐ロック」状態にある可能性が高い。そうなれば、昼側は灼熱でも、熱がうまく循環しない夜側や昼と夜の境界線では、水が液体か氷の形で存在しうるのだ。

宇宙のミステリー「半径の谷」を解くカギ

 この発見は、単なる「海があるかも」というロマンだけの話ではない。天文学における大きな謎「半径の谷」を解く、重要な手がかりを秘めている。

 近年の観測で、宇宙には地球の1.8倍くらいの大きさの惑星がなぜか極端に少ないことがわかってきた。この「空白地帯」がなぜ生まれるのかは、天文学者たちの頭を悩ませる大きな問題だ。TOI-1846 bは、まさにこの「谷」のど真ん中に位置する貴重なサンプルであり、惑星進化の謎を解明する糸口となることが期待されている。

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赤い太陽の周りで「隠れた隣人」を探す旅

 TOI-1846 bの主星は、太陽よりもずっと小さく暗い「赤色矮星」だ。実は、こうした星は私たちの天の川銀河にある恒星の約75%を占める、ありふれた存在。小さくて暗いため、周りを回る惑星の影を検出しやすく、生命探査の主要なターゲットとされている。TESSはこれまでに7600以上の候補を発見し、630以上の惑星を確定させてきたが、今回のような発見はその中でも特に重要だ。

 今後、ハワイの望遠鏡が惑星の重力による恒星のわずかな“ふらつき”を捉え、その正確な質量を明らかにしたり、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がその大気に水蒸気やメタンの兆候を探したりすることになるだろう。さらに、軌道のわずかなズレから、さらに外側を回る「隠れた隣人」、つまり第二の惑星が見つかる可能性もある。

 実は最近、137光年先にも「TOI-715 b」という似たようなスーパーアースが発見されている。こうした発見が積み重なることで、無数の赤い太陽の周りに、どれだけの生命を宿す可能性のある世界が隠れているのか、その壮大なパズルが少しずつ解き明かされていくのだ。

 154光年先から届いたかすかな光は、我々がまだ見ぬ「第二の地球」への道しるべなのかもしれない。宇宙の隣人探しは、まだ始まったばかりだ。

参考:Daily Mail OnlineEarth.com、ほか

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