発見は衝突のわずか数週間前?金星軌道に潜む「見えない小惑星」―その正体と地球への影響とは

危険な小惑星が不意打ちのように地球に接近してくるのか――。地球から見て“死角”に潜んでいる小惑星が多数あることが最新の研究で報告されている。
■金星の背後に潜む見えない危険な小惑星
地球に衝突すれば都市を滅ぼす規模の被害をもたらす小惑星が少なくとも3つ、金星の背後に隠れているという。それらは、姿を見せた時点から2週間から4週間で地球に接近してくるかもしれないという。
ブラジル、フランス、イタリアの研究者らは、金星の軌道と同期しているいくつかの小惑星は太陽のまぶしさで見えなくなることが多いため、発見するのがきわめて困難であることを指摘している。
特に「2020 SB」、「524522」、「2020 CL」と名付けられた3つの小惑星は、地球に危険なほど近づく軌道を持っている。
さらに不気味なのは、小惑星は完全に安定した軌道を描いているわけではないため、何らかの重力の変化によって進路が変わり、地球へと引き寄せられる可能性がある。
危険な3つの小惑星は直径が100~400メートルあり、地球に衝突すれば都市を破壊する規模の火災や津波を引き起こす可能性がある。
本質的にこれらの小惑星は、金星と同期して太陽の周りを回るバックダンサーのようなもので、同期した軌道のおかげで太陽からは安全な距離を置いている。
しかし、その不安定で予測不可能な進路は地球の進路と交差する可能性があり、地球の軌道との“交差点”で衝突する可能性があるのだ。
「共軌道状態はこれらの小惑星を金星への接近からは守ってくれるが、地球との衝突からは守ってくれない」と研究者らは警告する。
研究者らは、チリのルビン天文台は金星近くの死角から接近する危険な小惑星を発見できるかもしれないが、それを観測できる期間は極めて短く、もし地球に衝突するとすればおそらく2週間から4週間しか時間的な猶予はないだろうと指摘している。

これらの小惑星の1つが都市に衝突した場合、幅3キロメートルを超えるクレーターが形成され、1945年に日本の広島に投下された原子爆弾の100万倍を超えるエネルギーが放出されるということだ。
今年4月、NASAの科学者たちは、小惑星が月に衝突する確率を4%に引き上げた。その直前には、大型の小惑星の地球への衝突確率が3.1%と史上最高値に引き上げられている。
地球上の望遠鏡では宇宙の全方向を見る能力に限界があるため、研究者たちは地球の死角に隠れているまだ見ぬ危険な小惑星を完全に把握するために、専用の宇宙探査機を金星に向けて打ち上げる必要があると進言する。
近傍の危険な小惑星の常時チェック態勢を整え、もし衝突するとすれば地球のどこに落ちるのかなるべく早く特定することも求められてくる。
参考:「Daily Mail」ほか
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