近年の急激な気温上昇、本当の黒幕は「キレイになった空気」だった!?科学が証明した不都合な真実

地球温暖化は二酸化炭素をはじめとする「温室効果ガス」の増加にあるとされているが、そこには意外な“伏兵”が潜んでいた。なんと大気汚染の改善が地球の気温を上昇させているというのだ。
■大気汚染の改善が気温上昇を招いていた!?
大気汚染が減少し地球環境が改善されるのは望ましい変化ではあるのだが、しかし意外なことに科学者たちは現在、ここ最近の地球温暖化の急速な進展は実は東アジアでの大気汚染の減少が原因であると主張している。
英レディング大学をはじめとする研究チームが今年7月に「Communications Earth & Environment」で発表した研究では、中国をはじめとする国々が大気汚染物質の排出量を削減するにつれ、気候変動を抑制してきた“人工の日除け”が意図せずして失われつつあると指摘している。
1970年以降、世界は10年ごとに約0.18度温暖化してきたが、2010年頃から突然約0.24度に増加した。
この気温上場は二酸化炭素をはじめとする「温室効果ガス」の増加が原因であると一部の研究者は考えているが、研究チームは急激な温暖化の進行と、東アジアの急速な大気汚染の改善とがきわめて密接に関係していることに気づいた。

過去数十年にわたり、東アジア地域は大気浄化に向けての取り組みに尽力しており、たとえば過去15年間で二酸化硫黄の排出量が75%削減されているという。
二酸化硫黄などの汚染物質が大気中に放出されると、硫酸エアロゾルと呼ばれる微粒子の微細な霧となって大気中に漂うのだが、これらの粒子は太陽光を反射し、雲の形成方法に影響を与えて雲をより白く、より長く持続させて“人工の日除け”となり、太陽光による気温上昇を防ぐ役割を果たしていた。
研究チームは160回に及ぶコンピューターシミュレーションによって、東アジアの大気汚染の改善が過去15年間の温暖化のほぼすべてを引き起こしたと結論づけている。
大気汚染の改善が地球温暖化を促進しているという実に皮肉な研究結果となっているが、もちろん再び大気汚染を悪化させるわけにはいかない。
ノルウェーのCICERO国際気候研究センターの研究主筆であるビョルン・サムセット博士は今回の研究結果を受けて「ある意味では、地球温暖化が以前よりも悪化していることを意味します」と英紙「Daily Mail」オンライン版に語る。
大気汚染は二酸化炭素レベルがもたらすはずの温暖化をこれまで抑制してきたものの、地球はようやく本来あるべき状態にもどりつつあるのだとも言える。大気汚染を改善しつつ、これまで通り「温室効果ガス」の削減に努めていくしかないのだろう。
「温暖化の大部分は今も、そしてこれからも温室効果ガスの排出によるものであり、二酸化炭素の排出量を実質ゼロにするまで地球は温暖化し続けます」(サムセット博士)
大気汚染の改善が一時的な気温上昇に繋がろうとも、地球の大気そのものの改善への取り組みはこの先も続けていくしかないようだ。
参考:「Daily Mail」、「Science Alert」ほか
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2024.10.02 20:00心霊近年の急激な気温上昇、本当の黒幕は「キレイになった空気」だった!?科学が証明した不都合な真実のページです。温暖化、大気汚染、温室効果ガス、地球環境などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで