専門家を悩ます「巨石の“奇妙な突起”」の正体とは?インカ最後の地「ビルカバンバ」の謎

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 インカ帝国の終焉の地、ビルカバンバの謎の巨石文化とは――。その目的と作成方法が不可解な巨石の“突起”が専門家を困惑させている。

■ビルカバンバ遺跡の謎の巨石

 ペルーにあるビルカバンバ(Vilcabamba)は、古代インカ都市であり、1572年にスペインの征服によって滅亡するまでインカ帝国の最後の拠点であった。ビルカバンバは破壊されて失われたため、「インカの失われた都市」と呼ばれている。

 ビルカバンバでは独特の巨大な石の建造物がいくつもあるのだが、それらの巨石には奇妙な“突起”が見られる。

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 インカ帝国最後の皇帝であるマンコ・インカ・ユパンキ(1516-1544)はスペイン軍の攻勢でオリャンタイタンボからビトコスへ、そして最終的にこのビルカバンバへと撤退し、この地で暗殺された。

 1892年頃、ビルカバンバの遺跡が再発見され、1911年にハイラム・ビンガムが『インカの失われた都市』という著書を出版し、同著で遺跡の詳細を解説したことで広く知られるようになった。

 しかし、他の著者が詳述しているように、ビンガムはこの遺跡の重要性について全く気づいておらず、マチュピチュが古代インカの失われた最後の避難所、伝説のビルカバンバであると固く信じていたという。

 ともあれこの古代インカ都市は、その歴史だけが重要なのではなく、その重要性を評価するには、そこに存在する驚異的な巨石建造物をじっくりと観察する必要がある。

 最も重要な疑問は、これらの巨大な石のブロックはどのようにして作られたのかである。ビルカバンバにある多くの建造物の切断面には道具の跡が全くなく、建設中に使用された可能性のある青銅のノミの痕跡も見当たらないのだ。

 そしてまるでドアノブのような巨石の“突起”の目的や意味は依然として謎のままである。これらの奇妙な“突起”は、古代インカ文明よりも前の時代の文明の技術に由来するものなのだろうか。

 その可能性はいかにもありそうだが、さらに深く掘り下げる必要があることは間違いない。

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 現在のペルー南部にあるインカ帝国の砦の遺跡、オリャンタイタンボ(Ollantaytambo)や、ボリビアのプマ・プンク(Puma Punku)にもこのような“突起”を持った巨石建造物がある。またトルコやエジプトの遺跡にも似た巨石があることが指摘されており、エルサレムの神殿の丘、そしてメンカウラー王のピラミッドにさえもあるといわれている。

 これらの“突起”が何であれ、世界中の古代文明はそれらを作る方法を知っていたことになるが、その目的と意味は今のところ謎のままだ。世界各地にある巨石の“突起”の謎を解明する糸口が見つかることがあるのか気にかけておいてもよいのだろう。

参考:「Ancient Code」ほか

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文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
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