巨大地震に続き「大噴火」… M8.8の揺れが火山の威力を増幅させたか、カムチャツカで連鎖
The Klyuchevskoy volcano on Russia’s Kamchatka Peninsula began erupting shortly after a massive 8.8-magnitude earthquake struck off the peninsula’s eastern coast. https://t.co/56git0aYLu pic.twitter.com/gkkDAXbbOt
— WorldWatchYASS (@Yass_Smith) July 30, 2025
昨日7月30日、TOCANAではカムチャツカ半島で繰り返されてきた「地震が火山を目覚めさせる」恐るべき歴史についてお伝えした。そして今、まさにその現象が再び現実のものとなった。
ロシア極東で発生したマグニチュード8.8の巨大地震。大地が激しく揺れたその数時間後、今度は同じ地域のクリュチェフスカヤ火山が「強力な」噴火を開始したのだ。専門家は、この連鎖について地震が噴火の勢いを強めた可能性があると指摘している。
ロシア科学アカデミー地球物理学センターは、30日(水)に「西側の斜面を熱い溶岩が流れ落ちるのが観測された」と発表。観測カメラは、火口上空に広がる「強力な輝き」と「爆発」を捉えていた。
立ち上った噴煙は、火口から少なくとも高さ2.5キロに達し、東へ58キロもの範囲に広がったという。現地の火山噴火対応チームは、「高さ8キロに及ぶ爆発的な噴火が、いつ起きてもおかしくない」と警告を発しており、被害の全容はまだわかっていない。
Just in.
— Massimo (@Rainmaker1973) July 30, 2025
Klyuchevskoy Volcano in the Kamchatka Peninsula has begun erupting following the powerful 8.8 magnitude earthquake in the region. pic.twitter.com/GE1ofcojdN
地震は噴火の「引き金」か、それとも「ブースター」か?
では、この巨大地震は噴火の直接的な「引き金」だったのだろうか。
アメリカ地質調査所(USGS)の見解は、少し違うようだ。担当者によると、クリュチェフスカヤ火山は地震が発生する数週間前から「不穏な兆候」を見せていたという。実際に、7月21日にはロシアの科学者チームが山頂に溶岩湖を発見しており、火山はいつ噴火してもおかしくない「準備万端」の状態だった。
USGSは、「昨日の大地震が噴火を“引き起こした”わけではないでしょう。しかし、噴火の“激しさ”を増大させ、火山灰の放出を促した可能性は高い」と分析している。つまり、地震は噴火のスイッチを押したのではなく、すでに始まろうとしていた噴火の勢いをさらに強める「ブースター」のような役割を果たした、というわけだ。

「火の環」の宿命—アジア最大の活火山
クリュチェフスカヤ火山は標高4754メートルを誇る、アジアおよびヨーロッパで最も高い活火山だ。この火山が位置するカムチャツカ半島は、日本列島と同じく、地震や火山活動が活発な「太平洋の火の環」の一部。まさに地質活動のホットスポットなのである。
今回の大地震も、M8.8という規模は観測史上6番目に匹敵する強力なものだった。
USGSの担当者は、今回の噴火について「この非常に活発な火山では、ごく典型的な活動です」と述べている。辺境の地にそびえるこの火山にとって、巨大地震と共にその活動が激化することは、ある意味でこの地の宿命なのかもしれない。
参考:Live Science、ほか
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2024.10.02 20:00心霊巨大地震に続き「大噴火」… M8.8の揺れが火山の威力を増幅させたか、カムチャツカで連鎖のページです。噴火、環太平洋造山帯などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで