記憶力が226%アップ? “寝ている間に匂いを嗅ぐ”だけの脳トレが凄すぎる!アルツハイマー予防にも!?

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 加齢とともに増える白髪やシワ以上に、多くの人々が恐れているのは「記憶力の低下」だ。しかし、その解決策は、文字通り私たちの鼻の下に隠されているかもしれない。

 著名な神経科学者であり、元カリフォルニア大学アーバイン校教授のマイケル・レオン博士は、嗅覚システムを刺激することで、記憶力を200%以上も向上させる方法を発見した。これはアルツハイマー病や認知症の予防にもつながる画期的な研究成果だという。

脳への「スーパーハイウェイ」

 なぜ嗅覚がこれほど強力なのか。その理由は、嗅覚システムが脳の「記憶のハブ」である海馬に直結するスーパーハイウェイを持っているからだ。他の感覚器官が進化の過程で脳内で迂回するルートを辿るようになったのに対し、嗅覚だけはダイレクトに記憶中枢へアクセスできる。つまり、匂いを嗅ぐだけで脳の深層部分を無意識に刺激できるのだ。

 レオン博士はソムリエを例に挙げる。数千種類のワインの香りを嗅ぎ分ける訓練を積んだマスターソムリエの脳は、一般の人に比べて記憶に関連する領域が厚くなっているという研究結果がある。これは、日常的な嗅覚刺激が脳を物理的に強化し、神経変性疾患への抵抗力を高める可能性を示唆している。

寝ている間に記憶力が226%アップ?

 レオン博士の研究チームは、60歳から85歳の男女43人を対象に実験を行った。被験者の半数には毎晩エッセンシャルオイルの香りを拡散させ、もう半数には微量の香料しか含まないプラセボを与えた。

 6ヶ月後、驚くべき結果が出た。毎晩香りを嗅いだグループの記憶力テストのスコアは、対照群と比較してなんと226%も向上していたのだ。レオン博士はこれを「これまでに見つかった中で最大の記憶力改善効果だ」と評している。

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嗅覚の喪失と認知症リスク

 逆に言えば、嗅覚の衰えはの危機を意味する。レオン博士らの研究によれば、嗅覚機能の低下はアルツハイマー病を含む139もの神経変性疾患と関連しているという。

 特に懸念されるのは、COVID-19の後遺症で嗅覚を失った人々だ。しかし、希望はある。複数の香りを定期的に嗅ぐ「嗅覚エンリッチメント」を行えば、たとえ最初は香りが分からなくても、損傷した神経回路を再起動させ、嗅覚を取り戻せる可能性があるからだ。

 レオン博士は、この知見を応用したデバイス「Memory Air」も開発している。寝ている間に様々な香りを放出するこの装置は、努力なしで脳を鍛える新たなツールとして期待されている。

 記憶力を保ちたいなら、まずは「鼻」を鍛えることから始めてみてはいかがだろうか。

参考:Popular Mechanics、ほか

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