オーストラリアに“古代エジプトのピラミッド”が存在する? 5000年前のヒエログリフが示す“王の墓”の謎

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 5000年前のオーストラリアに古代エジプト人が文明を築いていたのか――。一説によればオーストラリアには古代エジプトのピラミッドがあるという。

■豪州で古代エジプト文明が栄えていた!?

 古代エジプト人はオーストラリアに渡来したのか? ある専門家は5000年前にオーストラリアのピラミッド型の山の下に、本物のピラミッドが建てられていたのだと主張している。

 オーストラリア、ケアンズの南約20kmのゴードンベールという町に、ピラミッド状の形をした山「ウォルシュ・ピラミッド(Walsh’s Pyramid)」がある。

 高さ922メートルのウォルシュ・ピラミッドだが、2004年に亡くなったアマチュア歴史家のレイ・ジョンソン氏とその信奉者によると、ウォルシュ・ピラミッドの堆積物の地層の下には本物のピラミッドがあり、そこはエジプト王のネフェルティルが永眠しているという。

ウォルシュ・ピラミッド By Hughesdarren at English Wikipedia – Transferred from en.wikipedia to Commons by Mattinbgn using CommonsHelper., Public Domain, Link

 なんとも突飛な言説だが、その根拠はオーストラリアで発見されたヒエログリフ「ゴスフォード・グリフ(Gosford Glyphs)」にあるということだ。

 ブリスベン・ウォーター国立公園内、ニューサウスウェールズ州ゴスフォードとウォイウォイの間、アボリジニのペトログリフで知られる地域で発見されている精巧なヒエログリフであるゴスフォード・グリフは約5000年前、古代エジプトの航海者たちがオーストラリア大陸を発見して上陸し、この地で刻んだ文字であるとジョンソン氏らは主張している。

 ジョンソン氏はこのゴスフォード・グリフを解読したところ、オーストラリアで2つのピラミッドが建てられたことが示されているという。その1つはウォルシュ・ピラミッドで、もう1つはクイーンズランド州中部のギンピー(Gympie)に建設されたという。ギンピーのピラミッドは現在は取り壊されていて土台付近の形骸が残るのみである。

画像は「Ancient Code」より
ゴスフォード・グリフ By ZrootaOwn work, CC BY-SA 4.0, Link

 ジョンソン氏は古代エジプト王家の元メンバーであるネフェルティティ王がウォルシュ・ピラミッドに埋葬されていることは間違いないと断言する。

 5000年前のオーストラリアに古代エジプト人が入植し、文明を築いていたとすれば驚きである。

 しかしこのヒエログリフをめぐっては数え切れないほどの論争が巻き起こっており、多くの考古学者は、ゴスフォード・グリフは現代の贋作に過ぎず、古代エジプト人がオーストラリアまで到達し、巨大な岩の側面にこの奇妙な記号群を刻み込んだことなどあり得ず、ましてやピラミッドを建造したことなどあり得ないと表明している。

 ジョンソン氏が主張する2カ所の“ピラミッド”ではこれまで考古学調査は行われていない。専門家の多くはそれらの“ピラミッド”は花崗岩で自然に形成された地形であると認識している。

 主流派の学者たちは、オーストラリアに古代エジプトのピラミッドがあるという考えを否定し、ましてや2つあるなどとは断じてあり得ないとしている。その構造物があるとされる山は、単に「ピラミッド構造の形をしているように見える」だけだということだ。

 しかしジョンソン氏らは、このピラミッドはボスニア・ヘルツェゴビナのヴィソコで厚い土と植生の層の下に埋もれて発見されたピラミッド形状と同様のものである可能性があると確信している。

 ボスニアの実業家で作家でもあるセミール・オスマナジッチ氏は「ボスニア・ヘルツェゴビナ中心部の自然丘陵は、地球で最も大きなピラミッドだ」と主張したことで、「ボスニアのピラミッド説」が知られるようになった。

 はたして5000年前のオーストラリアで古代エジプトのピラミッドが建造されていたのか。今後新たな動きが起こることがあるのか気に留めておきたい。

参考:「Ancient Code」ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
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