ロシアの“終末ラジオ”が新たなメッセージ「消耗」「支配」― ひと月ぶりの不気味な放送が告げる意味とは

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 ソ連時代から続いているロシアの謎の短波放送、いわゆる「終末ラジオ」がひと月ぶりにメッセージを発信した――。専門家によればメッセージの背後にはプーチン大統領の意思があることはまず間違いないという。

■「終末ラジオ」がひと月ぶりに情報発信

 謎の短波ラジオ、いわゆる「終末ラジオ(Doomsday Radio)」は1970年代から低周波信号を放送しており、専門家はプーチン政権がほぼ間違いなくその放送の背後にいると考えている。

 普段は不気味なブザー音を放送し続けている正式名称「UVB-76」は、その正確な目的は外部の者にはまったく不明である。ブザー音と時折聞こえる音声の乱れから、冷戦時代の軍事通信システムではないかと推測する声も上がっている。

 そして先日、この「終末ラジオ」が一時的に復活し、2つの恐ろしいメッセージを送信した。

 モスクワ時間12時59分に「EXHAUSTION(消耗、疲労)」という言葉が聞こえ、14時28分には「DOMINION(支配、領土)」という言葉が放送され、陰謀論者たちはすでにその意味を探し始めている。

 ご存知のようにウクライナでの戦火はまだ続いているが、ロシア側にとっては消耗戦の様相を帯び始めているのかもしれない。その意味では「EXHAUSTION(消耗、疲労)」も「DOMINION(支配、領土)」のどちらも戦争に関係づけられる単語である。ウクライナでの何らかの作戦を指示するメッセージなのだろうか。

「終末ラジオ」でメッセージは発信されたの1カ月ぶりで、今年9月初旬には「NZHTI」と「HOTEL」という暗号ワードとともに、38、965、78、58、88、37という不可解な数字の並びが放送されていた。

 その数字は座標ではないかと示唆する人もいれば、近いうちに「何か大きなこと」が起こる前兆ではないかと懸念する者もいた。

 今年5月19日にもメッセージが発信されたが、それはドナルド・トランプとウラジーミル・プーチンの電話会談中のことであった。このタイミングに何らかの意味が込められていると考えるのはある意味で当然である。

 1982年に愛好家たちがこの放送のモニタリングを始めた頃は信号は単なるビープ音の連続であったが、1992年にブザー音に変わり不気味さが増したこともあり、「ザ・ブザー」や「終末ラジオ」と呼ばれるようになった。以降、およそ数週間ごとに、男性または女性の声で人名、単語、または数字のリストが読み上げられてきた。

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 放送の目的は一切明らかにされていないが、ロンドン市立大学の電子・無線工学教授、デビッド・スタップルズ氏は通信の背後には「ほぼ間違いなく」ウラジーミル・プーチン政権がいると考えている。

「真実のすべて、そして真実だけを見つけるには、ロシア連邦自身から明らかにする必要があると思う」とスタップルズ氏は昨年、科学誌「Popular Mechanics」に語った。

「これを使用しているのはほぼ間違いなくロシア政府です。もしロシア政府であれば、平和目的ではないはずです」(スタップルズ氏)

 はたして今回のメッセージは何を意味していたのか。そして次にいつ、どんな発信が行われ、その時にロシアに何が起きているのか。今後もボランティアたちのモニタリングは続いていく。

参考:「Daily Star」ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
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