有名になると寿命が平均4年縮む? 科学者が突き止めた、歌手を襲う「名声」という名の死神

名声は命を縮めるのか――。最新の研究が、有名な歌手はそうでない歌手に比べて平均して4年も早く亡くなる傾向があるという衝撃的な事実を明らかにした。
スポットライトを浴びる生活は、多くの人が憧れる成功の証だが、その代償は想像以上に大きいようだ。ジャニス・ジョプリンやホイットニー・ヒューストン、ジミ・ヘンドリックスといった伝説的なスターたちが若くしてこの世を去った背景には、単なる偶然では片付けられない「名声の病理」が潜んでいるのかもしれない。
有名になると寿命が4年縮む?
ドイツのヴィッテン・ヘルデッケ大学の研究チームは、1950年から1990年の間に活動していた歌手648人を対象に大規模な調査を行った。その半数は世界的な名声を得たスター、もう半数はそれほど知られていない歌手だ。年齢、性別、国籍、音楽ジャンルなどの条件を揃えて比較した結果、有名な歌手の平均寿命は75歳だったのに対し、そうでない歌手は79歳と、明確な差が出た。
研究者たちは、このリスクは喫煙による健康被害に匹敵するほど深刻だと指摘している。名声を得ることで生じる「独特の心理社会的ストレス」が、薬物乱用などの不健康な行動を引き起こし、寿命を縮める要因になっている可能性があるという。

成功がもたらす孤独とプレッシャー
「名声は、絶え間ない世間の監視、パフォーマンスへのプレッシャー、プライバシーの喪失といったストレスを直接的に高め、それが薬物使用などの有害な対処行動を常態化させる可能性があります」と、研究著者のヨハンナ・ヘップ博士は説明する。
さらに興味深いことに、バンドのメンバーよりもソロアーティストの方が死亡リスクが高いことも判明した。これは、ソロの方が孤立しやすく、ストレスを一人で抱え込みやすいためだと考えられている。通常、富や成功は健康寿命を延ばす要因となるはずだが、芸能界における過度な名声は、そのメリットを打ち消してしまうほど有害なようだ。

「27クラブ」の真実と対策
音楽界には、27歳で亡くなるスターが多いとされる「27クラブ」という都市伝説がある。エイミー・ワインハウスやカート・コバーンなどがその例だが、別の研究では27歳という年齢自体に特別なリスクがあるわけではないと結論づけられている。しかし、今回の研究は、年齢に関わらず「有名であること」自体が命を削る要因であることを示唆している。
ヘップ博士は、スターたちがこのリスクに対抗するためには、「定期的に表舞台から距離を置き、家族や古い友人など、名声とは無関係な親しい人たちとの繋がりを持つことが重要だ」とアドバイスしている。
輝かしい成功の裏には、常に死の影が忍び寄っているのかもしれない。
参考:Daily Mail Online、ほか
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2024.10.02 20:00心霊有名になると寿命が平均4年縮む? 科学者が突き止めた、歌手を襲う「名声」という名の死神のページです。死神、ジミ・ヘンドリックス、カート・コバーン、ジャニス・ジョプリン、27クラブなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで