スピルバーグ新作で描かれる「エイリアンの声」は本物か? 科学者が予測するファーストコンタクトの真実

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画像は「DailyGrail」より

 エイリアンの声はどのような音色をしているのか――。そしてエイリアンは自分の声で人類に話しかけてくるのだろうか。

■エイリアンはどんな声なのか?

 スティーヴン・スピルバーグ監督の最新作『ディスクロージャー・デイ』が2026年夏に日本で公開されることが先日アナウンスされている。予告編も公開され、エイリアンとの最初の接触がどのようなものかを垣間見られる衝撃的な内容と言えるだろう。

 この映像ではエミリー・ブラント演じるニュースキャスターがエイリアンに憑りつかれ、その口からゾッとするような不気味な音声を発している。

 しかしエイリアンは本当にこんな声をしているのだろうか。

 エイリアンは人類とは大きく異なるかもしれないが、多くの科学者たちはエイリアンも地球上の生命と同じ進化の法則に従っている可能性が高いと考えている。したがって地球のような惑星で進化した種である場合、そのコミュニケーション手段は人間とそれほど変わらない可能性がある。

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「METI(Messaging to Extra Terrestrial Intelligence)」会長のダグラス・ヴァコフ博士は「宇宙人同士がどのようにコミュニケーションをとるかを推測するには、彼らがどのように対面で出会うのかを知る必要があります」と英紙「Daily Mail」に語る。

「もし宇宙人が人間のように、暗くてお互いの姿が見えなくてもコミュニケーションを取ることが不可欠な環境に住んでいるのであれば、彼らも人間の言葉に似た方法でコミュニケーションを取っているかもしれません」(ヴァコフ博士)

 その音声がどのようなものなのかは今のところわからないが、地球上ですでに聞こえているさまざまな音に似ている可能性はある。

「鳥のさえずりから、ゾウの鳴き声、コオロギの鳴き声まで、動物のコミュニケーションはすべて同じ原理で機能しています」(ヴァコフ博士)

 またヴァコフ博士は予告編のエミリー・ブラントの声は西アフリカで話されているコイサン諸語族の特徴的な音であると指摘している。

 しかし一部の研究者たちは、映画の予告編がすべて正しいわけではないと警告している。大きな問題は、エイリアンがコミュニケーションに声を使うと信じる理由がないことだ。

「UK Centre for Astrobiology(英国宇宙生物学センター)」の博士課程のミア・ベル・パーキンソン氏は「私たち人間に似た見た目や声を持つ知的な宇宙人について考えるのは簡単です」と同紙に話す。

「しかしそれは全く事実ではありません。もしこれらの生物が、我々の地球とは全く異なる世界で進化したとしたらどうなるでしょうか?」(パーキンソン氏)

 海底の生物が生物発光によって互いにメッセージをやりとりするよう進化したのと同じように、宇宙人も異なるコミュニケーション手段を進化させているのかもしれない。

 そもそもエイリアンは自分たちの言語で人間と話そうとするのだろうか。

 ボーリンググリーン州立大学の宇宙生物学者、シェリ・ウェルズ=ジェンセン博士は「この声は平均的な映画ファンを驚かせるために戦略的にデザインされたようです。しかし私たちの最初の接触は、おそらく映画撮影には少し難しそうです」と同紙に説明する。

「彼らは私たちに電子メールを送ってくるだけで、ベッドの下から這い出てくるわけではありません」(ウェルズ=ジェンセン博士)

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 つまりエイリアンとの最初の接触は、電波などの認識される可能性と信頼性が高くじゅうぶんに考慮された手段を通じて行われる可能性が高くなることになる。

 セント・アンドリュース大学の研究者であり、英国SETI(地球外知的生命体探査)研究ネットワークの議長でもあるジョン・エリオット博士は「ここで描かれたシナリオはセンセーショナルなフィクションです」と同紙に指摘する。

「通信はおそらく遠隔信号またはビーコンの形をとるでしょう。それは電波望遠鏡や光学望遠鏡で検出できる形で現れるでしょう。もしそれが私たちに向けた通信であれば最初はおそらく、別の知的文明からの意図の明確な証拠を提供するために、繰り返されるパターンや画像で構成されるでしょう」(エリオット博士)

 はたして来るべく“未知との遭遇”でエイリアンはどのように我々に語りかけてくるのだろうか。それが映画の公開前に起きる可能性はすなわち興行収入的リスクかもしれない!?

参考:「Daily Mail」ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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