世界197カ国を旅した男が選ぶ「最も汚かった場所」ワースト4

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　約10年間で世界のすべての国、197カ国を訪問したというドリュー・ビンスキー氏。数百万回再生される動画で知られる彼は、美しい絶景だけでなく、目を覆いたくなるような都市の現実も伝えている。今回は、彼が自身のYouTubeで公開した「世界で最も汚いと感じた場所」ランキングを紹介しよう。

　ビンスキー氏は「旅の印象は個人の体験によるものであり、主観的なものだ」と前置きしつつも、強烈なごみ問題とインフラの欠如に衝撃を受けた4つの地域を挙げている。

4位：マニラのスラム街（フィリピン）

　第4位はフィリピンの首都マニラにあるトンド地区。ビンスキー氏が到着して最初に衝撃を受けたのは、運河を埋め尽くすほどの大量のゴミと、その中を漂う汚水だった。

「水面が見えないほどゴミが浮いている」と語る彼は、橋の下でゴミの山に囲まれて生活するコミュニティを目の当たりにした。水と陸の境界が曖昧になるほどの廃棄物が住民の生活空間を侵食している光景は、彼にとって忘れられないものとなったようだ。

3位：カイロの「ゴミの街」（エジプト）

　第3位はエジプト・カイロ郊外のマンシヤット・ナセル。通称「ゴミの街（Garbage City）」と呼ばれるこの地域は、カイロ中の廃棄物が集まるリサイクルの一大拠点となっている。しかし、そこには行政によるゴミ収集サービスが存在しない。

「文字通り、ゴミの上に築かれた街だ」とビンスキー氏は語る。世界有数の観光地ピラミッドから車でわずか数分の場所に、毎日約1万4000トンのゴミが運び込まれる。彼自身、過酷な環境には慣れているつもりだったが、その強烈な臭いには閉口し、「耐え難い吐瀉物のような臭い」と表現している。

2位：プロヴディフのゲットー（ブルガリア）

　第2位に選ばれたのは、ブルガリアの都市プロヴディフにあるストリピノヴォ地区。ヨーロッパ最大級のロマ（移動型民族）居住区として知られる場所だ。

　ビンスキー氏がショックを受けたのは、貧困そのものではなく、路上に溢れかえるゴミの量だった。「ヨーロッパでこんな光景は見たことがない」と彼は驚きを隠さない。ストリピノヴォの通りは廃棄物で埋まり、他のヨーロッパ諸国とは一線を画す異常な状態にあったという。

1位：ポルトープランス（ハイチ）

　そして不名誉な1位となったのは、ハイチの首都ポルトープランスだ。政情不安とギャングの支配下にあるこの街では、主要道路の真ん中にまで巨大なゴミの山が築かれていた。

　ビンスキー氏の動画では、現地住民が「状況は悪化する一方で、清掃など行われていない」と語る様子が収められている。現在、多くの国が渡航中止勧告を出している危険地帯であり、治安の悪化とともに衛生環境も崩壊している現状が浮き彫りとなった。

　世界中の美しい景色を楽しむ一方で、こうした厳しい現実もまた、旅の一部なのかもしれない。

参考：YouTube、ほか

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