【怪奇】海岸に打ち上げられた400足の「19世紀の革靴」持ち主不在の靴が語る沈没船の謎

イギリス・南ウェールズの海岸で、不可解な現象が起きている。オグモア・バイ・シーの浜辺に、400足以上もの古びた革靴が次々と打ち上げられたのだ。
地元の非営利団体「ビーチ・アカデミー」が12月18日、海岸清掃中に発見したのは、鋲(びょう)の打たれた黒い革靴の山だった。その数は日を追うごとに増え、現在では437足に達している。これらの靴は明らかに現代のものではなく、19世紀のヴィクトリア朝時代のデザインをしているという。
沈没船「フローリック号」の積荷か?
なぜ今になって、150年前の靴が大量に姿を現したのか。地元ではある有力な説が囁かれている。それは、かつてこの沖合で沈没したイタリアの貨物船「フローリック号」の積荷だという説だ。

フローリック号は約150年前、オグモア海岸の沖合約3キロメートルにある「タスカー・ロック」と呼ばれる岩礁で座礁し、沈没したと伝えられている。この船は大量の革靴を積んでおり、それが長い年月を経て川底や海底から解き放たれ、浜辺に流れ着いたのではないかと推測されている。
発見された靴の中には、保存状態が良いものもあれば、男性用だけでなく子供用と思われる小さなサイズも含まれている。マッドラーカー(川底の泥の中から遺物を探す人々)の専門家ララ・メイクレム氏は、当時の人々は足が小さかったため、これらは女性用の靴である可能性も指摘している。

歴史の記憶を運ぶ「亡霊の船」
バンガー大学のマイケル・ロバーツ博士によれば、ヴィクトリア朝時代の沈没船が劣化し始め、積荷が流出し始めている可能性があるという。タスカー・ロックは干潮時にしか姿を現さない危険な岩礁であり、過去に多くの船を飲み込んできた。
地元写真家のピーター・ブリットン氏は、この現象を「歴史からの小さなメッセージ」と表現し、海で失われた命への追悼の意を込めた作品を制作している。
ちなみに、北米では靴の中に切断された足が入った状態で漂着するという不気味な現象が報告されているが、幸いなことに今回のウェールズの靴には足は入っていない。それでも、150年の時を超えて現れた大量の靴は、海に眠る悲劇の記憶を静かに物語っているようだ。
参考:BBC、IFLScience、ほか
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2024.10.02 20:00心霊【怪奇】海岸に打ち上げられた400足の「19世紀の革靴」持ち主不在の靴が語る沈没船の謎のページです。イギリス、沈没船などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで

