生放送中、女性乗組員がカメラの前から忽然と消えた!?「マトリックスのバグ」説が飛び交うアルゼンチン海軍の帆船中継

画像は「X」より

 アルゼンチンのニュース専門チャンネルが流していたのは、何の変哲もない帰港中継だった。ところがインタビューを終えた女性乗組員が記者の背後を横切った次の瞬間、彼女の姿は画面から完全に消えていた。

 カメラが引いて甲板全体を映しても、どこにもいない。この数秒の映像がSNSで拡散し、「マトリックスのバグが生放送された」と世界中が騒然となっている。

5ヶ月ぶりの帰港を伝える中継で、彼女は歩き去り、そして消えた

 舞台はアルゼンチン海軍の練習帆船「ARAリベルタッド」。士官候補生を乗せて洋上を巡る「動く教室」として毎年航海に出る船で、今年は4月11日に出港し、5ヶ月以上の訓練航海を経て9月19日にブエノスアイレスへ帰港した。

 岸壁は感動的な空気に包まれていた。ホセ・マリア・バエス伍長とサンド・フローレス伍長は、航海中にパートナーが出産したため、この日初めて我が子と対面している。

 ところが、その場から流れた生中継でスポットライトを奪ったのは、赤ん坊でも候補生でもなく、ひとりの女性乗組員だった。

 彼女は甲板の上で満面の笑みを浮かべながら、船の帰還について語っていた。話を終えて記者に別れを告げ、その背後を通って甲板を歩いていく——そこまではごく普通の光景だ。

 だが次の瞬間、彼女の姿は忽然と消えた。カメラが広角に引いても、甲板のどこにも見当たらない。

「100年前に死んだ女性では?」ネットに飛び交った”バグ”説

 映像がSNSに流れると、推理というより妄想に近い説が一気に噴き出した。

「何度見ても頭が追いつかない。幽霊なのか、マトリックスのバグなのか。あの女性を調べたら、100年前に死んだ人物だと判明するのでは」——そんな趣旨の投稿が拡散した。

「まだ誰も気づいていない普通の説明があるのか、それともマトリックスが一瞬ラグったのか」「マトリックスのバグが生放送された。説明がつかない」といった反応も相次いでいる。

 映画『マトリックス』で、同じ黒猫が二度通り過ぎる”デジャヴ”の場面を思い出した人も多かったはずだ。この世界がシミュレーションなら、たまには描画が飛ぶこともある——という理屈である。

種明かしはおそらく「鋭い左折」

 だが、冷静な視聴者たちは早々に種を見抜いていた。

 カメラが右へパンしようとしているのに気づいた彼女が、進行方向を左へ変えたのだ、という指摘だ。歩き出したあとに向きを変え、ちょうど記者の体がその姿を隠した、と分析する声もある。

 つまり中継の背景に映り込まないよう気を利かせた結果の”消失”だったというわけで、これがもっとも無理のない説明だろう。「鋭い左折か、テレポートか。うーん」と茶化す投稿もあった。

 もっとも、種明かしを知ったうえで見返しても、あの数秒はやはり落ち着かない。人が一瞬で、存在ごと世界から抜け落ちたように見えるからだ。

 世界がシミュレーションかどうかはさておき、5ヶ月の航海を終えた乗組員が最後に披露した身のこなしは、確かに人間離れしていたのかもしれない。

参考:LADbible、ほか

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