史上初めて写真に収められたUFO大量目撃、1951年「ラボック・ライツ」の真相

画像は「Reddit」より

 テキサス州の小さな大学都市が、一夜にして全米の注目を集めた。

 1951年8月25日の夜、空を横切ったのは音もなく輝く青緑色の光の群れだった。専門知識を持つ大学教授たちがそれを目撃し、その5日後には18歳の学生がカメラでその姿を捉えている。「史上初めて写真に記録された大規模UFO目撃事件」ともいわれる「ラボック・ライツ」——その顛末を振り返る。

化学者・工学者・地質学者が見た「20〜30個の光」

 1951年8月25日午後9時ごろ、テキサス工科大学の教授3人が夜空を見上げていたところ、半円状に並んだ20〜30個の青緑色の光が音もなく空を横切るのを目撃した。

 目撃したのは化学者のA・G・オーバーグ氏、工学者のW・L・ダッカー氏、地質学者のW・I・ロビンソン氏の3人。光の編隊は一度きりではなく、間を置いて二度出現したという。専門的な訓練を受けた研究者たちが同時に同じ現象を目撃したという事実は、地元紙だけでなく全米メディアの関心を引く要因となった。

 同じ夜、郊外の農家ジョー・ブライアント氏夫妻も似たような光の群れを目にしているが、こちらはチドリ類とみられる渡り鳥の群れだと考えていたという。同じ現象でも目撃者によって解釈が分かれていた点は、後の調査で重要な意味を持つ。

18歳の学生が撮った5枚の写真と当局の調査

 1951年8月30日、地元の学生カール・ハート・ジュニア氏(当時18歳)が35ミリカメラで光の編隊の撮影に成功した。

 ハート氏が地元紙に10ドルで売った5枚の写真は瞬く間に全米へ配信され、大手誌『ライフ』にも掲載されたという。大学教授という信頼性の高い目撃証言に加え、実際に光を捉えた写真まで存在するという組み合わせが、この事件を特別なものにした。

 9月5日には教授3人が新たに2人の同僚を加え、再び集団で観測を行っている。度重なる目撃と写真という物的証拠の存在が、米空軍による本格調査を促した。

 UFO調査を担当していた「プロジェクト・グラッジ」(後の「プロジェクト・ブルーブック」の前身)の担当官エドワード・J・ルッペルト氏は、1951年9月末までに3件の報告書を受け取り、調査に着手している。

In 1951 five Texas Tech professors watched 18-30 lights fly over Lubbock at 600+ mph. Project Blue Book spent years on it, called it UNKNOWN, and never closed the case.
by u/mingekko in aliens

鳥説と実験機説、そして未解明のレーダー痕跡

 調査の過程では複数の仮説が浮上した。

 実験段階にあった全翼型爆撃機説は、飛行経路や目撃時間との整合性が取れず退けられている。最も有力視されたのは、当時ラボック市内に新設されたばかりの水銀灯の光を反射しながら飛ぶ、チドリ類の渡り鳥の群れだったとする説だ。ブライアント夫妻の証言とも合致するこの鳥説は、現在に至るまで最も広く支持されている。

 一方で、同時期にレーダーが捕捉した物体に関する記録も残されている。時速約1450キロで6分間にわたり飛行する軌跡を追跡したとされるこの探知結果は、最終的に「未確認」のまま処理された。光の目撃、写真、レーダー痕跡——性質の異なる複数の記録が「ラボック・ライツ」という一つの名前でひとくくりに語られてきたことが、事件の全貌をかえって掴みにくくしている一因とも指摘されている。

 鳥の大群と新設の水銀灯が織りなした偶然の光景だったのか、それとも当局が今なお解明しきれていない何かがそこに紛れ込んでいたのか。70年以上を経てなお、カール青年が撮った5枚の写真は、UFO史における最初の”物証”として語り継がれている。真相が鳥の群れだったとしても、あの夜ラボックの空を横切った光の記憶は、色褪せることなく多くの人の想像力をかき立て続けている。

参考:Mysterium Incognita、ほか

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TOCANA編集部

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