【日本怪事件】怨恨? 愉快犯? 女子高生ら3人が銃殺された未解決事件「ナンペイ」

■なぜ犯人は3人も殺害した?

 しかしこの怨恨説も、謎だ。貢がれた金で、彼女が羽振りよく暮らしているなら、恨みも抱くだろう。だが彼女は、一度は結婚するものの後に離婚、息子を手放し、スナックも閉店に至るなど、凋落の一途を辿っていた。事件当時は、スーパーで働きながら、介護福祉士を目指し、地道に都の養成講習などを受けていたのだ。また、怨恨殺人だとしても2人の女子高生が道連れにされたのも、不可解だ。

 捜査過程では、銃を所持した犯人が入ってきた際に、稲垣さんが「○○さんに頼まれたんでしょ」と依頼主を言い当ててしまったため、それを聞いた女子高生たちも殺さざるを得なくなったという説が浮上した。

 だが、店の防犯カメラには、午後8時過ぎから1時間あまり、稲垣さんが事務所に1人でいたことが明らかになっている。彼女を殺す機会を窺っていたのなら、十分すぎるほどの時間があったのだ。

 投入された捜査員は、のべ約14万人。犯人に繋がる情報を追って、捜査員は中国やフィリピンにまで足を伸ばしている。時効成立まで3カ月あまりとなったが、平成22年4月27日に、殺人罪の公訴時効の廃止などを柱とする刑事訴訟法と刑法の改正本案が、衆議院で可決。遡及適用され時効はなくなったが、事件は謎に包まれたままだ。
(文=深笛義也)

■深笛義也(ふかぶえ・よしなり)
1959年東京生まれ。横浜市内で育つ。18歳から29歳まで革命運動に明け暮れ、30代でライターになる。書籍には『エロか? 革命か? それが問題だ!』『女性死刑囚』『労働貴族』(すべて鹿砦社)がある。ほか、著書はコチラ

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1959年東京生まれ。横浜市内で育つ。18歳から29歳まで革命運動に明け暮れ、30代でライターになる。書籍には『エロか?革命か?それが問題だ!』『女性死刑囚』『労働貴族』(すべて鹿砦社)、『罠: 埼玉愛犬家殺人事件は日本犯罪史上最大級の大量殺人だった』(サイゾー)がある。ほか、著書はコチラ
Twitter:@giyagiyagiya

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