>  >  > 宇宙人を法律で裁くことは可能か?

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渡部直樹

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――「超常法律相談所」では、弁護士資格を持つライターが、不思議なニュースやオカルトの素朴な疑問について、法律的見地から答えを見つけていく。

 「イスラム国」(IS)による日本人殺害事件に関して、警視庁と千葉県警察が合同捜査本部を設置して捜査にあたるとのことである。遠く離れたシリアで犯された罪であっても日本国民を殺害すれば我が国の法に基づいて処罰するということである(刑法3条の2、199条)。逆に、日本国民が外国で殺人の罪を犯した場合でも、我が国の法に基づいて処罰される(刑法3条、199条)。

 では、日本国民が宇宙人によりアブダクション(強制的にさらわれてしまうこと)された場合、あるいは傷害を負わされた場合にはいかなる罪が成立するのであろうか?

 結論からいうと、宇宙人に関しては、現在のところどこの国の法によっても処罰することはできず、「宇宙人の行為については犯罪は成立しない」というほかない。

 世界各国の法は人間(専門用語でいえば自然人)を対象とするするものであり(行政関係の取締法には法人を対象とするものも多いが)、宇宙人は人間でない以上、法の外にある存在であり、法の適用対象外であるとしかいえない。したがって、日本国民が宇宙人にアブダクションされても、あるいは傷害を負わされても、我が国の刑法に基づいて宇宙人を処罰することはできない

 もちろん、宇宙人が日本国民をアブダクションしようとした場合に、我が国の警察や陸海空自衛隊が手出しできないというわけではない。日本国政府は日本国民を保護する責任を負っており、日本国民保護のために最大限の努力をしなければならず、その過程で宇宙人と交戦することも十分に考えられる。しかし、それは外国(政府)との戦争のような意味を有するものではなく、災害時に国民を保護する活動に近い意味合いを有する。

 前述のとおり、宇宙人は法規の適用対象外の存在であるから、仮に宇宙人が日本国内に居住していたとしても、日本国憲法が定める基本的人権の保護を享受することはできない。人間ではないゆえ、人権はないのである。

 現在の状況は以上にみてきたとおりであるが、宇宙人が地球人と接触をもつような事態になれば、宇宙人の存在を前提とした法整備が不可欠になってくるであろう。

「Men In Black」や「銀魂」では、宇宙人は合衆国や江戸の政府の管理下に置かれている設定になっているが、果たしてそのような時代は訪れるのであろうか…?
(文=希 雅祥/ライター)

【参考】
宇宙人に拉致された有名カレー屋「マジックスパイス」オーナーの話

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コメント

1:匿名2015年2月 9日 19:17 | 返信

地球までやってくるほどの技術力を盛った宇宙人であるが、武力の所持を禁じた宇宙憲法9条を信奉していたため武装していなかった。
これ幸いと彼らの技術を奪うため宇宙人を虐殺してしまった。
強盗殺人に問われる可能性はないとのことですが、動物愛護法違反に問われる可能性はどうでしょう?

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