食べると不老不死になる肉塊「太歳」が発見され大騒ぎに=中国
人類の見果てぬ夢、不老不死。実現すると世界が大混乱に見舞われることは間違いないが、個人の欲求となれば話は別だ。歳をとることなく、いつまでも生きていたいと願うことは当然だろう。事実、そんな人々の欲求を物語るかのように、世界には数々の不老不死伝説が存在する。なかでも特に有名なものが、中国の「太歳(たいさい)」だ。
その姿は石とも生物ともつかず、硬いゴムのようで、自己再生能力を有するとも囁かれる「太歳」。古くは中国の妖怪辞典『山海経』に登場し、出土すると災いが起こるが、食べた者には不老不死の力が与えられるという。山の神、粘菌、謎の生物もしくは肉塊……など、正体については諸説入り乱れているが、いまだ真実は闇の中だ。ところが昨年、この「太歳」がついに発見され売りに出されていることが判明し、不老不死を願う世界中の人々の注目を集めているようだ。
先月29日、中国共産党中央委員会の機関紙『人民日報』のインターネット部門である「人民網」が報じたところによると、「太歳」を発見したのは、中国北東部・遼寧省に暮らす農夫ワン・チェンドーさんだ。昨年3月、自宅近辺の山で、地中から顔をのぞかせる不思議な存在を目にしたワンさんは、すぐに掘り出して自宅に持ち帰った。
総重量は約70kg、何層にも重なる組織、硬く黄色い膜で覆われた表面と、脆くクリーム色をした内部――。ワンさんはこれぞ伝説の「太歳」であると確信、人々に不老不死の効果を実感して欲しいと考え、1kg約35,000円で売ることにした。
すると、その話を聞きつけた購入希望者が国内各地から殺到、すでに100万円以上を売り上げるというウハウハ状態に。今後70kgをすべて売り切れば、儲けが総額200万円を軽く上回ることも予想されるが、どうやらワンさんにもたらされる富は、さらに莫大なものとなりそうなのだ。というのもワンさんが発見した「太歳」、不思議なことに冷水に浸けておくと、ちぎった部分もいつの間にか再生しているのだという。購入希望者がいる限り、まさに尽きることのない“金脈”を手にしてしまったというわけだ。
なお、この「太歳」の正体について専門家は「地中のバクテリアが増殖して結合したものではないか」と考えており、ワンさんを詐欺師のように見做す人々もいるようだ。しかし、本当に不老不死になれるとしたら、1kgで35,000円という価格設定は極めて良心的だ。結論を下すのは、「太歳」を食べた人々の今後をリサーチしてからでも遅くないはずだ。
参考:「人民網」、「The Daily Mail」、ほか
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