>  > 「英・イラク戦争調査文書」の裏側が本当にヤバい

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画像は、トニー・ブレア「Wikipedia」より引用

 今月6日、英国が2003年にイラク戦争に参戦した経緯を検証してきた独立調査委員会による報告書(通称:「チルコット報告書」)が公表された。本報告書は、イラク戦争について「イラクを武装解除させる平和的な手法を尽くしておらず、最終手段とは言えなかった」と指摘。当時のブレア政権や情報機関が十分な分析や議論を経ず、都合のよい事実だけを提示して戦争に踏み切った過ちを断じる内容となっている。


■イラク戦争という過ちが「イスラム国」台頭を招いた

 そもそもイラク戦争は、当時イラク共和国を支配していたフセイン大統領による独裁政権が大量破壊兵器を開発・保有しているとの情報を大義名分として、ブッシュ米政権とブレア英政権の主導によって始まった。しかし、04年には米中央情報局(CIA)が大量破壊兵器はなかったことを認めたうえ、05年、06年にもそれを裏づける数々の報告書がまとめられている。今回の「チルコット報告書」は、まさに開戦の経緯を総括する膨大な内容となっており、イラク戦争に正当性がなかったことが決定的になったといえるだろう。

 イラク戦争後の中東情勢は、イラクとシリアを中心にかつてないほど残虐な過激派組織「イスラム国」が台頭し、混迷の時代を迎えている。イラクでは、「フセイン政権下の生活のほうがマシだった」「ブッシュとブレアが我々の国を破壊した」といった不満が一般市民の間でも噴出している状況だ。

 そしてブレア元英首相自身でさえも、昨年10月の英公共放送「BBC」のインタビューにおいてイラク戦争をめぐる間違いについて謝罪するとともに、イラク戦争が「イスラム国」の台頭を招いたことを認めているのだ。


■陰謀論が陰謀論ではなくなった!

 開戦当時、CIAやMI6といった世界に名だたる諜報機関を抱える米英両政府が「イラクに大量破壊兵器がある」と自信を持って断言する状況に、まったく疑問を抱かない人々も多く、一部では疑いの目を向けようものなら陰謀論者扱いされそうな空気さえ流れていたことを思い出してほしい。それが今や、状況は完全に正反対で、今回の報告書は911陰謀論を後押しする材料にもなるだろう。物事の“裏の裏”を考えていた人々の主張にこそ真実があり、表に出てくる事実だけを鵜呑みにする人々は、世界を思い通りに動かそうとする人間たちにとって実に都合のよい存在であることが立証された形だ。

 しかし、そうであるならば今回の「チルコット報告書」さえ素直に受け入れることは賢明ではない。このような報告書が、なぜ開戦から13年を経たタイミングで公表されたのか? そこに何らかの意図が働いているのか? しっかりと考察しなければならない。そこでトカナ編集部は国際政治に通じた2人の識者に話を聞いた。そこで見えてきたのは、「チルコット報告書」が公表されたタイミングには“必然性”があるという事実だった。

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