「極めて不可解」― 恒星間天体3I/ATLASから“異常な量”の金属を検出、宇宙船説が再燃

太陽系外から飛来した謎の恒星間天体「3I/ATLAS」。その正体を巡る論争が続く中、国際的な研究チームが、この天体から「極めて不可解」な物質が放出されていることを発見し、科学界に新たな衝撃を与えている。
3I/ATLASが放つガスの尾(コマ)の中から、異常なほど大量のニッケルと鉄が検出されたのだ。この発見は、この天体が単なる彗星ではない可能性を、これまで以上に強く示唆している。
なぜ彗星から“金属”が?―物理法則に反する現象
チリにある超大型望遠鏡(VLT)を用いた観測で、研究チームは驚くべき事実を発見した。3I/ATLASが、大量のニッケル原子と鉄原子を放出していたのである。
「彗星が観測されるような距離では、温度はニッケルや鉄を含む鉱物を気化させるには、あまりにも低すぎる。したがって、彗星のコマにニッケルや鉄の原子が存在すること自体が、極めて不可解だ」と、研究論文は指摘する。
通常、彗星の主成分は氷であり、太陽に近づいて熱せられることで、その氷が直接気体となって放出される(昇華)。しかし、ニッケルや鉄といった金属を含む鉱物は、遥かに高い温度でなければ気化しないはずなのだ。

異常なニッケル比率と、ハーバード大教授の“宇宙船説”
さらに不可解なのは、検出されたニッケルと鉄の比率である。3I/ATLASが放出するニッケルの量は、太陽系の彗星や、過去に観測された2番目の恒星間天体「ボリソフ」と比較して、著しく高いことが判明した。
この異常な発見に対し、TOCANAではすっかりおなじみのハーバード大学の理論物理学者アヴィ・ローブ氏は、再びあの大胆な仮説を持ち出す。――3I/ATLASは、地球外生命体によって作られた宇宙船なのではないか、と。
「鉄を伴わないニッケルの検出は、人工的なカルボニル化学経路を経て製造された、工業生産の合金でのみ知られている」と、ローブ氏は指摘する。彼によれば、このニッケルの特徴は、3I/ATLASが自然物ではなく、人工物である可能性を示唆する、強力な手がかりだというのだ。
火星からの観測で“正体”が暴かれるか
3I/ATLASは、その巨大さもまた謎を深めている。最新の推定では、その核の直径は約5km、質量は330億トンにも及ぶとされ、これは過去の恒星間天体「オウムアムア」や「ボリソフ」を遥かに凌駕する、まさに“規格外”の大きさだ。
この巨大で、奇妙な金属を放出する謎の天体の正体は、今週、ついに明らかになるかもしれない。
3I/ATLASは今まさに火星に接近しており、NASAの火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービター(MRO)に搭載された高性能カメラ「HiRISE」が、史上最も近接した観測を行う予定だ。

火星から2900万kmの距離を通過する3I/ATLASを、HiRISEカメラはこれまでのハッブル宇宙望遠鏡の観測を遥かに超える解像度で捉えることができる。これにより、その正確な大きさや構造、そして組成に関する、前例のない詳細なデータが得られると期待されている。
ローブ氏の言うように、これは本当に宇宙船なのだろうか。それとも、我々がまだ知らない、極めて特異な性質を持つ、ただの彗星なのだろうか。
世界中の天文学者たちが固唾をのんで見守る中、この遠方からの訪問者は、間もなくその素顔を我々の前に現そうとしている。
参考:The Debrief、ほか
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2024.10.02 20:00心霊「極めて不可解」― 恒星間天体3I/ATLASから“異常な量”の金属を検出、宇宙船説が再燃のページです。鉄、恒星間天体、ニッケル、3I/ATLASなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで
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