「数年以内に宇宙飛行士が死ぬ」― NASA内部告発者が警告する宇宙開発の“危険な”未来

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「誰も私たちを助けに来てはくれない」

 これは、NASAの職員が、米国上院委員会に提出した報告書の中で漏らした悲痛な叫びである。彼ら内部告発者たちは、NASA内部で起きている衝撃的な変化が、近い将来、宇宙飛行士の命を奪う悲劇的な事故を引き起こすだろうと、強い警告を発している。

 半世紀ぶりの有人月面探査ミッション「アルテミス計画」に世界が沸き立つ中、その足元では、宇宙開発の未来そのものを揺る-がしかねない、深刻な危機が進行していた。

“恐怖の文化”と、無視される安全性の問題

 米国上院の商業・科学・運輸委員会が公開した21ページにわたる報告書には、NASA職員たちによる衝撃的な告発が記されている。

 彼らによれば、NASAの上層部は計画を秘密裏に進め、議事録などの文書を一切残さず、職員間のオープンなコミュニケーションを遮断しているという。

 そして、この“恐怖の文化”の背景にあるのが、トランプ政権が提案する、大幅な予算削減である。

 内部告発者たちは、この予算削減と、報復を恐れて安全性の問題を報告できない組織文化が、将来の宇宙飛行士を深刻な危険に晒していると主張する。「私たちの周りでは、常に安全性の問題が起きている」と、ある証言者は語る。「数年以内に宇宙飛行士の死亡事故が起きることを非常に懸念している」。

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画像はUnsplashNASAより

違法な予算削減と、崩壊する組織

 委員会が特に問題視しているのは、トランプ政権と行政管理予算局(OMB)が、議会の承認を得ずに違法な予算削減をNASAに強要しているという点だ。

 2026年度のNASAの予算は、248億ドルから188億ドルへと、実に24%もの削減が提案されている。その中身は、科学プロジェクトの33%削減、主要プロジェクトの47%削減、そして職員の32%解雇という壊滅的なものだ。

 内部告発者によれば、NASA上層部は職員に対し、この未承認の予算案にのみ従うよう命じ、「そこに書かれていないものは、存在しないものと見なせ」と指示したという。これは、NASAの規則を破り、その使命を危険に晒す行為であると、彼らは告発している。

「若い才能が失われていくことに、胸が張り裂けそうだ」と、ある内部告発者は語る。このままでは、NASAが長年培ってきた安全性と革新性が完全に崩壊してしまうだろうと。

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月と火星への道は閉ざされるのか

 NASAは最近、火星での微生物の痕跡発見という歴史的な発表を行った。しかし、その記者会見でさえ、NASAの新長官は、60億ドルもの予算削減が、火星からのサンプルリターン計画に与える影響について、厳しい質問を浴びせられた。

 前NASA長官のビル・ネルソン氏も、この予算削減に強い懸念を表明している。「私が深く関わり、尽力してきた多くのことが、削減されようとしている」と彼は嘆く。月への帰還や探査車による火星探査といった、NASAの未来そのものが危機に瀕しているのだ。

 しかし、ホワイトハウスはこれらの批判を一蹴。「NASAは甚だしく予算を超過している」とし、有人火星探査ミッションによって、同じ目標は達成できると主張している。

 かつて、人類の夢と希望を乗せて宇宙へと飛び立ったNASA。しかし今、その内部では、政治的な圧力と恐怖の文化が渦巻き、輝かしい未来に暗い影を落としている。内部告発者たちの悲痛な叫びは、新たな宇宙時代の幕開けが、大きな犠牲の上に成り立とうとしていることを我々に警告しているのかもしれない。

参考:Daily Mail Online、ほか

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