今も絶滅危惧種を“生贄”に捧げる諏訪大社の謎を徹底解説! 日ユ同祖論とも奇妙なリンク
現代の日本において、まだ「生贄の儀式」が行われていることをご存じだろうか? 生贄や人柱などの考え方は、古今東西を問わず存在したが、現在は失われつつあるのが当然だと思っているはずだ。しかし、日本屈指のパワースポットとして知られる諏訪大社には、今でも生贄の行事が存続しているのだ。
諏訪大社とは、長野県の諏訪湖周辺に二社四宮の境内を構える神社で、全国に数多ある諏訪神社の総本社である。そこに祀られているのは、風・水の守護神であり五穀豊穣を司るとともに、武勇の神としても信仰されてきた諏訪明神だ。そしてこの諏訪大社では、毎年元旦に「蛙狩神事(かわずがりしんじ)」という神事が行われるが、これこそ現代の「生贄の儀式」そのものなのである。
■賛否両論の儀式「蛙狩神事」
「蛙狩(かわずがり)神事」は次のような手順を踏む。まず、前宮のご神域を流れる御手洗(みたらし)川の底を掘り返し、冬眠したアカガエルを2匹、生きたまま捕らえる。そして拝殿正面でアカガエルを矢で射抜き、生贄として捧げ、国家平安と五穀豊穣を祈願する。
その由来については諸説あるが、諏訪大社の祭神は本来「ソソウ神」や「ミシャグジ神」といった蛇神だったという話もある。なるほど、蛇の大好物といえば蛙なので、それを生贄として捧げるのは理にかなっているかもしれない。
今朝の諏訪大社・蛙狩神事に、愛護団体による妨害が入ったと友人からメール。愛護しているから狩ることが解らぬようだ。たとえばキリスト教における象徴的な蛇殺しが蛇崇拝に基づくものだとも解らぬのだろう。 pic.twitter.com/KUw6PszhhP
— 中島 智 (@nakashima001) 2016年1月1日
しかし現在、生物を殺して神に捧げるという行為が残虐であるという主張や、生贄にされるアカガエルのうちヤマアカガエルが国際自然保護連合(IUCN)によって絶滅危惧種の「軽度懸念(LC)」に指定されているなどの理由から、毎年のように複数の動物愛護団体から抗議が殺到しているそうだ。
■諏訪大社「生贄の儀式」の深い歴史
実は、諏訪大社の「生贄の儀式」はアカガエルに限らず、実に奥深い歴史を持っている。
4月15日に諏訪大社上社で行われる「御頭祭(おんとうさい)」では、現在は鹿や猪の頭部を剥製にしたものが生贄として神に捧げられている。しかし、江戸時代の学者である菅江真澄が残した資料によると、当時は本物の鹿や猪、ウサギなどが生贄にされていたという。また、諏訪大社七不思議の1つとして「生贄の鹿の中に、必ず耳が大きく裂けた鹿がいる」という伝承もある。
そして、江戸時代以前の御頭祭では、少年を“象徴的に”生贄として捧げる儀式も存在した。「おこう」(御神または神使)という役割を課された少年が「御贄柱(おにえばしら)」と呼ばれる柱に縛りつけられ、そばに小さな刃物が置かれる。そして、生贄役の「おこう」は、後に神官によって解放されるという不思議な儀式であったという。なお、諏訪大社の「生贄の儀式」で、かつては人間の胎児も捧げられていたという噂もあるが、真偽は定かではない。
■ユダヤの伝承と“ただならぬ”リンク
では、なぜ諏訪大社にはこのように「生贄の儀式」が多いのだろうか?
一説によると、そこには日本人とユダヤ人が共通の祖先を持つという「日ユ同祖論」が深く関係しており、なんと諏訪大社の「生贄の儀式」は、旧約聖書に登場する人類の祖アブラハムの子であるイサク(ユダヤ人の祖)にまつわる伝承を受け継いでいるのだという。
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