【死刑囚と面会】サラリーマン風の淡路島5人殺人犯・平野達彦の主張に衝撃! 日本政府の「電磁波犯罪」とは?
■薬剤性精神病に陥っていた
事件が起きたのは2015年3月16日の早朝だった。兵庫県・淡路島の小さな集落で生まれ育った平野は当時40歳。精神障害による入通院歴があり、長く実家で引きこもり生活を送っていたという。そんな男が近所の2家族の寝込みを襲い、計5人をサバイバルでメッタ刺しにして殺害した事件は、社会に大きな衝撃を与えた。そしてすぐにインターネット上に残された平野の活動の形跡に注目が集まったのだった。
「日本政府は何十年も前から各地で電磁波犯罪とギャングストーキングを行っています」
平野は事件前からツイッターやフェイスブックでそんなことを訴えていた。その一環として近隣住人たちの写真をネット上で公開し、「工作員」呼ばわりしていたのだが、それが殺害された被害者たちだった。平野は精神刺激薬の大量服用を長期間続けたのが原因で、事件当時は薬剤性精神病に陥っていたのである。
平野は今年2~3月にあった裁判員裁判でも、
「事件はブレインジャック(=脳を支配)されて起こしたのです」
「本当の被害者は私であり、私の家族です。祖父も自殺に見せかけて殺されたのです」
などという特異な冤罪主張を繰り広げた。さらに事件前からネット上で訴えていた日本政府の「電磁波犯罪」を改めて法廷で告発したりした。
そのように荒唐無稽なことばかりを言うのだが、平野の見た目はグレーのスーツと銀ブチめがねが似合う普通のサラリーマン風で、話しぶりも真面目なだけにいっそう異様さが際立った。
■「死刑以上のことを何年もされていた」
私が神戸拘置所で平野と面会したのは、平野が死刑判決を受けた翌日の朝だった。透明なアクリル板越しに向かい合った平野に対し、私は何より気になっていたことを単刀直入に質問した。
「平野さんは死刑が怖くないのでしょうか?」
平野はサラリとこう言った。
「私は電磁波攻撃という死刑以上のことを何年もされていますから」
電磁波犯罪とは一体何なのか。そう質問したところ、平野は「脳内に音やかゆみ、刺痛を送ってくるのです」と真顔で説明してくれた。では一体、誰が何の目的で平野にそんなことをしているというのか。
「“五感情報通信”というのをご存知ですか。日本政府はそのための人体実験として私に電磁波攻撃を行っているのです」
私は“五感情報通信”なるものを知らなかったので、それは何かと尋ねたところ、平野は「総務省のホームページに出ているので、あとで確認してください」と言った。そこで面会後に総務省のホームページで確認したところ、“五感情報通信”とは、電話やネットでは伝達できない触覚や嗅覚、味覚なども含めた五感すべての情報を伝える通信技術のことらしく、現在は国が中心になって研究を進めているという。日本政府がその人体実験のため、自分に電磁波攻撃をしかけていると、平野は思っているわけだ。
このように平野の話の内容は荒唐無稽だが、話の中に実在する人や企業、組織、団体もチラホラ出てきた。たとえば、平野は「黒木昭雄さん(※筆者注・2010年に死去した元警察官のジャーナリスト)も暗殺されたのです」「イスラム教や創価学会もテクノロジー犯罪を行っています」などと言っていたが、ネット上には同じようなことを言っている人が散見された。検察官は裁判で「被告人は自宅で引きこもる中、インターネットで情報を収集し、独自の世界観を築いたのです」と説明していたが、平野は実際、ヘヴィーなネットユーザーだったのだろう。
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