ゲーム「Fate」に登場する冥界の女王「エレシュキガル」の性質を徹底解説 ― 底なしの性欲と圧倒的な死の力(前編)
■冥界の女主人「エレシュキガル」とは?
エレシュキガルは、シュメル語で「大いなる下界の女主人」「冥界の女王」などの意味を持つ名前です。その通り、エレシュキガルはメソポタミアにおいて「死と暗闇の世界」とされる地下、すなわち冥界を支配する女神です。「アッラトゥ」「イルカルラ」という別名も持ちます。
彼女は地下世界(冥界)を統治する、非常に神格の高い女神です。当然、関係する神は複数いるのですが、エレシュキガルのみを知る上で最低限必要となるのは、妹「イナンナ/イシュタル」と、後世の神話における配偶神「ネルガル」となります。
ここで妹「イナンナ/イシュタル」としているのは、イシュタルがイナンナから派生した女神で、かつこれら神話においてはほぼ同一の役割を果たす存在であるためです。
エレシュキガルについては3つ、「イナンナの冥界下り」「イシュタルの冥界下り」「ネルガルとエレシュキガル」と、現代の研究者にタイトルを付けられた神話が伝えられています。
これら神話の文脈から読み取れる限りですが、エレシュキガルがおそらく持つであろう属性や性格、外見的特徴は以下の通りです。
・美しい女神イナンナ/イシュタルの姉であり、また男神を簡単に誘惑しているところから、同等の美貌を持つ女神である可能性が高い
・冥界という地の利もあるだろうが、武勇に優れた戦いの女神でもあるイナンナ/イシュタルを圧倒する死の力を誇る
・姉妹仲は非常に険悪か?(妹の無礼に怒っているだけの可能性もある)
・エレシュキガル特有の武器や防具などの描写はない
・底無しの性欲の持ち主
・小さな頃から遊びのひとつも知らずに育った、筋金入りの箱入り娘
・惚れた男には一途かつ従順。ただし逃げればどこまでも追いかけ、その手段は問わない
これら特性を踏まえた上で、エレシュキガルの登場する神話について、ひとつずつ概要をご説明していきましょう。
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