変形したつま先、折り畳まれた指…中国最後の纏足女性が写真集に
■纏足法
足が完全に発達する前の4歳~9歳の間に纏足は始められる。纏足によって発熱することが多く、また痛みを減らすため、纏足は秋から冬など、温度が低い時に行われたという。
まず足の爪を可能な限り短く切り、薬草と動物の血を混ぜた液体に足を浸し、柔らかくする。初めにつま先が直角に折り曲げられ、きつく包帯で縛られる。その後、何回にも分けて足は縛りなおされ、最後にはつま先が折れるまで足の裏の下に捻り入れられ、足のアーチも折る。これらの過程によって完成した纏足は、まるでハイヒールのような形になる。
■纏足をした後の苦しみ
小さな村に住む86歳の纏足をした老婦人、ゾウ・ズイフェンは取材に対し、こう語っている。
「纏足をしたことを後悔しています。うまく動けないし、ダンスもできません(中略)しかし、私が纏足をする年齢になった時、村の誰もが纏足をしない女性は結婚できないと言いました。だから纏足をしたのです」
また別の纏足をした女性は、「纏足を初めてした時の痛さは忘れました。でも…、今でも、足を床に付けられないほどのひどい痛みを時に感じることがあります」と言う。
纏足による弊害は数多い。バランスを保てず、年齢が上がるにつれ、座った体勢から立ち上がることができにくくなる。また彼女らはよく転びやすく、腰や他の骨を折りやすい。さらに、災害時に走ることが不可能な纏足女性は、男性より死亡の確率が高かったという記録もある。
1800年代後半に中国を訪れたキリスト教伝道師は、纏足の習慣は男女の不公平さを増すので、禁止されるべきだと強く主張した。また中国の共産主義が台頭してくるにつれ、女性も男性と同じく農場や工場で労働を強いられた。纏足女性はそれらの労働をするのに、大変な辛苦を味わったと言う。
こうやって実際に纏足をした老婦人の写真を見ていると、上記のような多くの苦しみを経てきたにも関わらず、穏やかな顔つきの老婦人が多いのに驚かされる。纏足と聞くと、不健康で前時代的で…と思われがちであるが、彼女たちは誇りを持ってその時代を生き抜いてきたのだろう。ファレル氏は香港在住の写真家の女性だが、彼女の撮った写真は西洋的な価値観にとらわれず、被写体への愛情がよく出ていると筆者は思うが、いかがであろうか。
(文=美加リッター)
・ジョー・ファレル氏の作品を掲載したFacebookページ「JoFarrellPhotography」
参考:「Daily Mail」、「NPR」ほか
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